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筋トレ以外にもタンパク質を増やしたほうがいいかもしれない7つのケース

Meat

 

筋肉量アップにプロテインが効くのは常識ですが、なんせタンパク質は体を作る基本的な成分なんで、ほかにもいろんな場面で必要になるわけです。

 

 

数々の研究でもプロテインのメリットはあきらかでして、具体的にタンパク質を増やすべきケースを知っておくと便利。ざっと思いつくところを挙げてみます。

 

 

減量期に入ったとき

メリハリのあるボディを作るには、たんに筋肉を増やすのでなく「増量期」と「減量期」を使い分けるのが基本。増量期ではしっかりカロリーを増やして筋肉量を上げ、減量期ではガツンとカロリーを減らすテクニックであります。

 

 

このとき、ただ総カロリーを減らすだけだと筋肉の減りが速くなっちゃうんで、いつもよりタンパク質を増やすのが大事になってきます。具体的な実験例をあげると、

 

  • 減量中のウエイトリフターに、体重1kgあたり1.6gのタンパク質を摂ってもらったところ、体重1kgあたり0.8gのグループよりも筋肉量が保持された(1998年,1)
  • 過体重の女性に12週間の高タンパク食を続けてもらったところ、運動をしなくても筋肉が減るスピードが遅くなった(2007年,2)

 

みたいな感じ。男女を問わず、ガッツリ減量したいときはタンパク質を増やすのが吉。とりあえず体重1kgあたり1.6〜2gを目安にすればよいかと思います。 

 

 

肌の調子が悪くなったとき

美肌をキープするためにもプロテインは必須。特に大事なのはゼラチンで、肌のターンオーバーを正常に保つには鶏ガラや豚骨スープなどを飲むのがベストであります。もちろん、めんどうならゼラチンパウダーを使うのもありですが。

 

 

ちなみに、ゼラチンは普通の肉とはアミノ酸のバランスが大きく違ってまして、グリシンやプロリンを多くふくんでおります。こいつが正常な肌には必須なんですね。普通に鶏肉や牛肉ばかり食べてると、どうしても大事なアミノ酸が足りなくなっちゃうんで、心当たりのある方はお気をつけください。。

 

 

ランニングやジョギングの量が多いとき

個人的に長時間のランニングはおすすめしてないんですが、走るのが好きな方は、とりあえずタンパク質を増やすのが大事。というのも、長時間の有酸素運動はストレスホルモンの分泌が多く、食事に気を配らないと筋肉が減りやすくなっちゃうんですね。

 

 

この問題を食い止めるためには、やはり体重1kgあたり1.6〜2gのタンパク質が目安になるでしょう。

 



 

ケガで動けないとき

ケガで運動ができないときもプロテインを増やすのがベター。運動をしないとガンガン筋肉は減っていきますし、2012年の論文(2)によれば、使わない筋肉はタンパク質に対する反応も鈍くなっていっちゃうそうな。

 

 

また、火傷や切り傷といったケガをしたあとは、いつもより体がタンパク質を必要とすることがわかっております(4)。ある研究(5)によれば、火傷を負った患者は体重1kgあたり1.5gのタンパク質が必要になるとか。

 

 

この問題を防ぐためにも、ケガで動けないときや長期旅行で運動できないときは、いつもより意識してタンパク質を増やすのが吉。こちらも、体重1kgあたり1.6〜2gが目安になります。 

 

 

やたら腹が減るとき

当ブログでは、何度か「タンパク質で食欲が減る!」 って話を書いております。実際、現在では糖質制限ダイエットが効くのはタンパク質の摂取量が増えるからって見解が主流ですしね。

 

 

もちろん食欲が高まる原因はいろいろあるんですが、どうしても空腹が治まらないときは、初めの一歩としてタンパク質を増やしてみるのも手かと思います。具体的な計算方法については、 「ダイエットのための『タンパク質』摂取量ガイドライン」などをご参照ください。

 

 

ストレスが多いとき

ストレスが多いと筋肉が減りやすくなるのは有名な話。たとえば1993年の実験(3)では、ストレスホルモンにさらされた筋肉は、65%も分解のスピードが速くなったとか。恐ろしいですねぇ。

 

 

もちろん、筋トレやカフェインプチ断食などによる短期のストレスは問題ないものの、睡眠不足や仕事の悩みが長期間にわたってしまうと、いくらトレーニングをしても筋肉が減ってしまう可能性が大。ストレスの原因が解消されるまでは、高タンパク食を続けたほうがよいでしょう。

 

 

ちなみに、これはまだ初歩研究の段階ですが、ホエイプロテインにはストレスホルモンの悪影響をやわらげる効果も指摘されております。ストレス対策にプロテインを使ってみるのもアリかも。

 

 

60才を過ぎたとき

ここ数年は「高齢者ほどタンパク質が必要!」って研究が多く出ております(5)。2011年の論文によばれ、年をとるとタンパク質の処理効率が落ちちゃうので、体重1kgあたり0.8gぐらいじゃ足りないらしいんですな(6)。

 

 

基本的には60代ぐらいから格段にタンパク質の処理力が下がるみたいですが、わたしのようなアラフォーも、20代にくらべると間違いなく能力は下がってしまう模様。最低でも、体重1kgあたり1gのタンパク質は必須と申せましょう。

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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