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ラカントやパルスイートに使われるエリスリトールは本当に安全なの?

Erythritol

 

ラカントに関するご質問をいただきました。

 

最近、お菓子を作ることが増えたのですが、糖質を抑えるために砂糖の代わりにラカントを使う、といったレシピをよく見かけます。

ラカントは天然素材でカロリー0と、魅力的なフレーズで紹介されることが多いのですが、一方で危険性を訴える記事もあります。

パレオさんはラカントについてどのようにお考えでしょうか。

 

とのこと。ラカントはパルスイートなどと同じく、エリスリトールを主原料にした甘味料ですね。だいだい99%がエリスリトールで、残りの1%に羅漢果が使われております。

 

 

エリスリトールはどれだけ安全なの?

エリスリトールは糖アルコールと呼ばれる甘味料で、体内で消化されにくいのが特徴。その点では、砂糖よりも食物繊維レジスタントスターチのお仲間と言えますね。

 

 

糖アルコールは、基本的に人工甘味料(アスパルテームとか)よりも安全性が高いことがわかってまして、なかでもエリスリトールは安心して使える感じ。たとえば2009年のレビュー論文(1)では、体重1kgあたり1gのエリスリトールを摂っても問題ないそうな。

 

 

キシリトールやソルビトールは1日の上限が30gですから(2)、エリスリトールは、糖アルコールのなかでもかなり安全な部類だと申せましょう。実際、WHOやFDAもエリスリトールの使用には基準値を設けておらず、基本的には「好きに使いなさい」ってスタンスですしね。



 

 

羅漢果は体に良い可能性も高い

また、ラカントのもうひとつの成分である羅漢果も、特に毒性は確認されておりません。たとえば2006年の実験(4)によれば、体重1kgあたり3gもの羅漢果を犬に与えても悪影響は出なかったとか。

 

 

それどころか、別の実験では「羅漢果の甘みは体にいい!」って説もありまして、

 

  • 羅漢果から抽出した甘味料を分析したところ、高い抗酸化作用が確認された(1996年,5)
  • マウスに羅漢果エキスをあたえたところ、血糖値や血中の脂質が改善した(2008年,6)

 

といった報告が出ております。まぁ、まだ動物実験しかないのが難点ですが、ステビアと同じく大昔から使われてきた自然の甘味料ですし、こちらも心配は無用かと思われます。

 

 

ただしお腹の調子が悪い人は注意

そんなわけで、ラカントは非常に良質な甘味料なんですが、お腹の調子がよくない場合だけは注意が必要かも。

 

 

というのも、エリスリトールはフルーツにふくまれる果糖の吸収を妨げる作用があるんですね(7)。その結果、

 

  1. 吸収されなかった果糖が大腸までとどく
  2. 果糖が腸内細菌によって分解される
  3. 大量のガスが発生してお腹に悪さをする

 

といった流れで不調を引き起こすわけです。なので、リーキーガットFODMAPを実践中の方はひかえたほうが良いでしょう。

 

 

まとめ

以上の話をまとめますと、

 

  • ラカントの主成分であるエリスリトールは安全
  • 羅漢果エキスも安全性が高く、健康に良い可能性も高い
  • ただしお腹が弱い人は使わないほうが無難

 

といったところです。基本的には非常に安全性が高い甘味料ですんで、安心して使っていただければと思います。

 

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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