セルフコントロール能力を上げるコツ、それは「未来の自分への共感」
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セルフコントロール能力は何で決まるのか
自制心は人生の万能能力だ!などと申します。 ということで、セルフコントロール能力が欲しいと願う方にとって重要な論文(1)のご紹介。ざっくりした話は前にも書いたんですけど、もうちょいくわしく押さえておきたくなりまして。これはチューリッヒ大学の実験で、まずは43人の男女に2パターンのオファーをして、好きなほうを選んでもらったらしい。
- すぐにお金がもらえるけど金額が少ない
- お金がもらえるまで待たなきゃなんないけど金額は大きい
たとえば、パターン1はいますぐ1,000円もらえるのに対し、パターン2は半年待って20,000円が手に入るといった感じ。当然ながら、パターン2を選んだ人のほうがセルフコントロール能力は高いことになります。
参加者を一時的にワガママにする
で、このとき、参加者の頭に磁気で刺激をあたえて、脳の側頭頭頂接合部(TPJ)をオフにしたのが実験のポイントであります。TPJってのは「他人が何を感じてるか?」をつかむ機能を持ったエリア。ここのスイッチが切れると他人の気持ちがわからなくなるんで、一時的にワガママな性格ができあがるんですな。おもしろいですねぇ。
他人の気持ちがわからないと自制心は弱る
それで何がわかったかと言いますと、- TPJがオフになると、
- セルフコントロール能力が弱くなる!
- お金を他人と分け合う気持ちもなくなる!
といった感じです。他人の気持ちがわからなくなると、人間はケチで目先の欲望に弱くなっちゃうんだ、と。
未来に対して「旅の恥はかき捨て」状態に
この現象について、研究者は次のような推測をしております。- 他人の気持ちをつかむ能力がなくなる
- 同時に、未来の自分がどう感じるかをつかむ能力も消える
- 未来の自分に気をかけなくなる
- セルフコントロール減退!
他人の気持ちがわからないと、未来の自分が「まったく赤の他人」として感じられるため、結果として目先の欲望に負けちゃうわけですな。未来に対して「旅の恥はかき捨て」になった状態とでも言いますか。
他人の視点になれる能力が大事
研究者いわく、セルフコントロール能力を高めるには、衝動や欲望をコントロールする方法だけに労力を使うべきではない。もっと他人の視点になって考えられる能力を養うほうが得策だろう。
とのこと。具体的な他社視点のトレーニング法については、「共感力をきたえるために効果的な7つの科学的な方法」で紹介してますので合わせてご参照ください。このほかにも、「海外ドラマでEQが上がった!」や「小説、映画、アートは共感力を高める!」といった話もあったりとか。
もっとも、この論文では、PC画面にCGのキャラを映し出して「この人物の視点から見える風景を想像してください」ってなタスクを採用しております。この作業ががうまい人ほどセルフコントロール能力も高かったそうで、別に他人の感情まではわからなくても、とにかく視点を切り替える能力が大事みたいっすね。