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痩せやすい野菜またはフルーツってどれなの?

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痩せやすい野菜&果物ってどれ? 
野菜と果物を増やせば痩せる!」ってデータは山ほどありまして、パレオダイエットでも「カロリーの質が高い炭水化物を大量に食べようね!」ってのが大事なポイントになっております。


が、ひとくちに野菜といっても、その種類はさまざま。食物繊維や糖質、ポリフェノールの量などはバラバラなわけですから、「野菜や果物の種類によって痩せやすさも変わるんじゃない?」って疑問もわくわけですよ。


ってことで参考になるのが、ハーバード公衆衛生大学院のデータ(1)。「痩せやすい野菜&果物ってどれ?」って疑問を調べてくれていておもしろいんですよ。




痩せやすい野菜&果物はこれだ!
これは過去の観察研究をまとめたメタ分析になっていて、24年におよぶ133,468人の健康データを精査した前向きコホート研究になっております。4年おきに細かく食事と体重の変化をチェックしたデータを使っていて、なかなか信頼感が高いのもよろしいんじゃないでしょうか。


調査の対象になった野菜と果物は70種類。それぞれの摂取量が変わるごとに、どんな体重の変化が出るかを追いかけたわけですね。


そのうえで、運動やタバコといった要素を取り除いて計算したところ、こんな結果になりました。
スクリーンショット 2017 05 28 16 29 26
このグラフは、「それぞれの野菜や果物を1食ぶん増やすごとに、4年でどれだけ体重が変わるか」を示したもの。ここでいう「1食分」ってのはアメリカの数え方でして、

  • 生の葉物野菜 =1カップ(240ml)
  • 加熱した葉物野菜 =1/2カップ(360ml)
  • 葉物以外の野菜 =1/2カップ(360ml)
  • 果物= りんご、オレンジ、バナナは中サイズ1個

ぐらいに考えます。グラフと照らし合わせると、1日に1カップぶんの野菜を増やすと4年でだいたい300グラムの減量につながるわけっすね。野菜より果物のほうが体重が減ってるのがおもしろいっすね。


というとショボい気もしますけど、運動や意図的なカロリー制限をしない場合の数値なので悪い話ではないかと。ベリー類なんてマイナス500g近く行ってますしね。


食物繊維が多くてグリセミックロードが低いものが最高 
ちなみに、この研究では食物繊維やグリセミックロード(血糖値の上がりやすさ)との関係も調べてまして、これがまたおもしろい。具体的には、

  • 果物の場合、食物繊維の量とグリセミックロードは、体重の変化とは関係がなかった
  • 野菜の場合、食物繊維の量と体重の変化には多少の関係があった。グリセミックロードが低い野菜ほど体重も減りやすい傾向もみられたが、その差はほんのわずかなものだった
  • ただし、食物繊維が多くてグリセミックロードが低い野菜の場合は、もっとも体重の減少との相関がみられた。特に肥満な人ほど変化は大きい

って感じです。たんに食物繊維が多いだけじゃなく、グリセミックロードが低い野菜のほうがいいんだ、と。このへんは「カロリーの質が高い炭水化物を食べよう!」って考え方につながっていくところですね。


まとめ
ってことで話をまとめると、

  • 太った人ほど野菜と果物のダイエット効果が高い
  • 果物のなかでもベリー類は最強。野菜よりも効果が高い
  • コーンのように食物繊維が少なくてグリセミックロードが高い食品は体重増加につながる
  • 野菜のなかでは、ブロッコリー、キャベツ、カブ、コマツナ、大根などのアブラナ科が最強

って感じでしょうか。もちろん観察研究なので限界はあるんですけど、「何を優先的に食べるか?」のヒントにはなるんじゃないかと。どうぞよしなに。

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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。