ビタミンCで虫歯になるって本当?
ちょっと前に「ビタミンCサプリの実力ってどれぐらい?」みたいな話を書いたんですが、そういえば「ビタミンCで虫歯になる!」って問題について書き漏らしてましたんで、軽く要点を書いておこうかと。
虫歯の原因になりやすい商品はどれだ?
参照するのは2012年のメタ分析(1)で、「虫歯を引き起こしやすい食品」について調べたもの。過去に出た9件のデータを精査したうえで、
- ソフトドリンク
- スポーツドリンク
- ビタミンC系商品
- 牛乳
- ヨーグルト
のなかから、どれが虫歯の原因になりやすいのかをチェックしたんですな。この研究でいう「ソフトドリンク」とは、炭酸飲料、フルーツジュース、エナジードリンク、砂糖入りのコーヒー飲料など、無糖のお茶などは関係ないのでご注意ください。
ソフトドリンクとビタミンCが虫歯を引き起こす
その結果がどうだったかと言うと、
- ソフトドリンクとビタミンCのみ虫歯と関係がある!
- 牛乳とヨーグルトは逆に歯のエナメル質を守る
だったそうな。糖分が多いソフトドリンクで虫歯になるのはわかりやすいですが、実はビタミンCが入ったジュース、タブレット、グミなども歯へのダメージが大きいわけですな。
その理由は単純で、ビタミンCが酸の一種だから。通常、歯のエナメル質はpHレベルが5.5以下になったあたりから溶け出すんですが、ビタミンCのグミなどはpHが2.3ぐらいなんですよ。
ビタミンCのダメージを避けるには?
もちろん唾液のおかげで酸の影響はやわらぐんで、ビタミンCは絶対ダメ!みたいな話ではありません(2)。
とはいえ、だいたい500mgのビタミンCが口のなかに入ると、その後25分ぐらいはpHが下がりっぱなしになりますんで、やっぱ虫歯になりやすい人は注意したほうがよさげ。虫歯に強い人でも、ビタミンCを飲んでしばらくは歯がダメージを受けやすい状態になるので(3)、その場合は、歯みがきを最低でも1時間はひかえておいたほうが吉であります。
つまり、ビタミンCによる歯の悪影響を避けるには、
- パウダーやタブレット系のビタミンCを飲まない。使うならカプセル系で
- オレンジやグレープフルーツ系のジュースは飲まない(果物として食べるだけなら問題ない)
- ビタミンC系の食品を摂ったあとは1時間ほど歯みがきをしない
といったあたりがポイントになるかと。まぁそもそもビタミンCのサプリには目立った効果がないので、普通に野菜や果物から摂るのがベストだと思うわけですが。