自分にカリスマ性があるかどうかを判断する6つの質問
「カリスマは誰でもなれる」なんて本がありましたけど、新しい論文(1)は「カリスマ性を判断するテストを作ったよ!」って内容になってておもしろかったです。
カリスマ性がある人ってどんな人?
これはトロント大学の論文で、研究者が考える「カリスマ性がある人」の例はこんな感じ。
ダイアナ妃、オプラ・ウィンフリー、マハトマ・ガンジー、ロナルド・レーガンといった人物は、みんな強烈で謎をふくんだ特性を持っていた。
とのこと。それなりに納得のラインナップじゃないでしょうか。良かれ悪しかれ、なんかわからないけど魅力的に見えて、つい話を聞いちゃうような人、ぐらいのイメージっすね。
しかし、いまだカリスマ性に関する研究は少なく、その歴史も浅い。そもそもカリスマ性に関する統一的な概念すらない状況だ。
ってことでで、研究ではまず、アマゾン・メカニカル・タークを使って数百のアメリカ人に「カリスマと聞いて思いつく特性を4つあげてね」と質問。出てきた答えをまとめて余分な要素を削っていった結果、「カリスマに必要なポイント」を以下の2つに絞り込んだらしい。
- 他人が自分の言うことにどれだけ影響を受けるか
- 他人にどれだけ親しみやすいと思われるか。一緒にいて、他人がどれだけリラックス感や快適さを感じられるか
要するに、説得力があって好かれやすい人ほどカリスマ性があるんだ、と。いろいろと反論もありましょうが、まずは無難な着地点じゃないかと思われます。
カリスマ性を調べるテストを作ってみた
さて、カリスマ性に必要な要素がわかったところで、続いて研究者は「カリスマを判断するための質問集」を作成。こちらも参加者に様々なテストを行いまして、実際にカリスマ性が高いと思われる人との相関が出たというんですな。
具体的には、参加者同士でしばらく会話をしてもらい、互いに「カリスマ性があると思うか?」を採点。そのうえで全員の「カリスマ性テスト」の結果とくらべたら、ほぼ参加者のレーティングと相関がみられたりとか。
さらに、ほかの試験では、参加者の家族や友人に「◯◯さん(参加者)はカリスマ性がありますか?」と質問してみたら、やっぱり「カリスマ性テスト」の結果と対応してたとか。いずれもサンプル数は少ないものの、それなりの結果が出ております。
カリスマ性を判断するための6問
で、研究者が作った「カリスマ性判断テスト」は以下の6問です。すべて1(まったく当てはまらない)〜5(完全に当てはまる)の範囲で点数をつけてってください。
- 自分は、どこにいても存在感があると思う
- 私は他人に影響をおよぼす能力を持っている
- 私はグループの導き方をよくわかっている
- 私は他人を良い気分にさせるのが得意だ
- 私は他人によく笑いかける
- 私は誰とでもうまくやることができる
お気づきのとおり、1〜3問目までが「説得力」で、4〜6問目が「好かれやすさ」をテストしております。新しいテストなんで「何点より下だとヤバい」みたいな基準はないんですけど、とりあえず点数が高いほどカリスマ性が高いってことになりますんで、周囲の人とくらべてみちゃいかがかと。
知性とカリスマ性には関係がない
また、この研究では、「カリスマ性テスト」と他の有名なテストとの結果も比較されてておもしろいです。具体的には、ビッグファイブやIQテストなんかですね。
その結果をざっくりまとめると、
- ビッグファイブの「協調性」が高い人ほど「カリスマ性テスト」の点も高い
- 知性や認知機能がいくら高くても「カリスマ性」とは関係がない
みたいな感じです。協調性が高い人が「好かれやすい」のは当然なんで、ビッグファイブとの相関には納得っすね。
いっぽうで、知性とカリスマ性が関係がなかったってのは、ちょっとおもしろい感じ。説得力を増すには頭が良いほうがいい気もしますが、そんなこともないんですねぇ。内容よりも言い方が大事ってことなのかもしれんですな。