メンタルで体の老化を防ぐ鍵、それは「エモダイバーシティ」
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当ブログでは、よく「炎症は老化のもと!」って話をしていて、いろんな対策法を紹介しているわけです。具体的には、ポリフェノールとかレジスタントスターチとかですね。
ただ、新しい論文(1)では、これまで扱ってこなかった抗炎症ポイントに触れていて勉強になりました。
メンタルが老化を引き起こすのは間違いない
これはコーネル大学の実験で、研究者は以下のように言っておられます。近年の研究により、炎症プロセスの下には様々なメンタルの問題があることがわかってきた。恐怖や恥といった感情は、体内の炎症反応を引き起こすからだ。
いっぽうで、ポジティブな感情はC反応タンパクやインターロイキン(有名な炎症のマーカー)を低下させる。要するに、ネガテイブな感情とポジティブな感情は、どちらも人間が健康を維持するためのシステムの一部なわけだ。
しかし、どのようにポジティブであればいいかはよくわかっていない。
とのこと。ストレスが体内に炎症を起こすのは有名な話で、「笑い」のようなポジティブ感情が体にいいのもデータが多いところ。しかし、たんに幸福感が高ければいいのか?って問題意識っすね。
感情の変化と体内の炎症レベルを比べた
ってことで、この実験では175人の男女(40〜65才)にお願いして、30日ほど感情の変化を記録してもらっております。感情のパターンは32種類で、- ポジティブ=幸せ、興奮、興味深い、奮起した、集中した、活動的、落ち着いた、などなど
- ネガテイブ=恐怖、混乱、イライラ、焦り、神経質、恥などなど
といった感じで、様々な種類を記録してもらった模様。と同時に、みんなに血液検査を行いまして、炎症マーカー(CRP,フィブリノゲン、IL-6)を調べたんですね。
いろん感情を経験したほうがいい
そのうえで、年齢や体重、性格、年齢といった要素を調整したところ、- 1日のうちにいろんな種類のポジティブ感情を経験したほうが体内の炎症が低い!
- いろんなネガテイブ感情を体験しても、通常より炎症が悪化するという現象はなかった
って傾向が出たんですな。たんに「幸せだ!」と思う人よりも、「ワクワクだ!」とか「落ち着いてるなー」みたいにいろんなパターンの感情を味わったほうが健康にいいんだ、と。この状態を、研究者は「エモダイバーシティ」(感情多様性)と呼んでおります。なんか良い言葉ですね。
もちろん、これは観察研究なんで、どっちがどっちを引き起こしてるのかは不明。「感情が多様だと炎症が治まる」んじゃなくて、「炎症が低いと感情が多彩になる」って可能性も十分にありそうではあります。
いろんな種類の感情を味わうべし
ただし、その可能性をふまえた上で、研究者はこんなアドバイスをしてました。この結果を活かすには、自分の「良い気分」に正確な名前をつけてあげるといい。たんに「良い気分」ではなく、「畏敬の念」「興味がわいた」など、できるだけ細かな言葉で自分の感情を説明してみるのだ。
幸福感にも様々な種類がある。そして、いろんな種類の幸福を味わったほうが、ヒトは打たれ強くなり、精神的なダメージを避けることができる。
自分の感情に名前を付けよう!ってのは、当ブログでも2016年にチラッと書いた話で、このときは「感情の解像度を上げてみよう」って表現を使っております。あいまいな感情を正確に表現できる人は、メンタルや意思力が強いことがわかってるんですな。
要するに
つまり、- あいまいな感情に名前をつける練習をする
- 感情の解像度がアップする
- エモダイバーシティが向上
- 体内の炎症が低下!
みたいな流れが期待できる感じですねー。たとえば、毎日2〜3時間おきにアラームをセットしといて、音が鳴った瞬間に、その時の感情を細かく説明してみる、といったトレーニングをするといいかも。