夜中の照明はどこまでデブの原因になるのか?問題
人工照明で太る?
以前から「都会に住むと太る!」ってデータがあるわけです。
その原因はよくわからんのですが、一説には「人工照明のせいじゃない?」って考え方があるんですよ。要するに、
- 夜も人工照明で明るい
- 体内時計が狂う
- メラトニンが減る
- 眠れなくなる
- 食欲が増える
- 太る!
みたいな流れです。睡眠不足と食欲の変化はわりと信頼性が高い話なんで、ありそうな話ではないかと。
夜間照明と各国の肥満率
ってところで新たな論文(1)では、「人工照明で本当に太るの?」ってあたりに焦点を当てておもしろい感じでした。
これはハイファ大学の研究で、夜間にも照明を多く使う都市と肥満率の関係を調べた観察研究になっております。どうやって照明が多い都市を判断したかというと、衛星写真のデータを使って、80カ国のなかから夜間も明るいものを選んだらしい。考えましたなぁ。
で、このデータを、WHOが調べた肥満率とくらべたうえで、
- 各国の裕福さ(一人あたりGDP)
- 近代化のレベル
- 出生率
- 食料の消費量
といった要素を調整したわけです。
明るい国は肥満率が900%アップする
そこでどんな結論が出たかと言いますと、
- 夜間の照明は、女性の肥満率の72〜73%、男性の肥満率の67〜68%を説明していた
- 夜間照明が最低レベルの国と最高レベルの国をくらべると、アジア地域では肥満率が900%も増加する。それ以外の地域では、250%増加する
って感じです。正直、思ったより数字がデカかったんでビビりました。アジア地域とそれ以外の差もおもしろいですねー。
もちろん、人工照明と肥満の因果はまだよくわからんのですけど、この論文に関していえば、
- 夜中の照明で睡眠の質が下がり、結果として太る
- 睡眠パターンが乱れたせいでホルモンバランスが崩れる
- 睡眠不足により褐色脂肪細胞が普通の脂肪に変換されて代謝が落ちる
ってあたりを想定しておられます。褐色脂肪は考えてませんでしたけど、確かに肥満との関係は前から言われてるんで、あるのかもしれんですな。
まとめ
まぁ都市部の肥満については他にもいろんな原因がありまて、「騒音がデカい場所に住むと太る」ってケースもあるんで「これが原因だ!」とは言えないところ。当然ながら、夜中でも簡単に高カロリー食が手に入るってのも原因のひとつでしょうしね。
ともあれ、動物実験レベル(2) であれば、「夜中に明るいと太る!」って現象は何度も確認されてますし、まずは「光害」が体によろしくないのは間違いなさげ。とりあえず寝室は真っ暗にしておけ!それができなきゃアイマスクを使え!といういつもの結論であります。どうぞよろしくお願いします。