8分でストレスに強い脳を作るテクニックが確認された件
8分の筆記開示がメンタルに効く
心配事を紙に書くとメンタルにいい!って話を何度か書いております当ブログ。俗に「筆記開示」と呼ばれていて、かなり昔から実証データが多いテクニックの一つ。
具体的には「自分の悩みをノンストップで書きなぐる」だけでして、これを1日20分ずつ数週間ほど続けると幸福度が上がると考えられております。ネガティブな感情を外に書き出すことで客観性が生まれ、自分のなかに溜め込むよりも対処がしやすくなるみたいなんですな。
というわけで、かなり手軽で効果の高いテクだなーと思うわけですが、近ごろ出た論文(1)では「たった8分でも大幅にメンタルが改善するよ!」って結果が出てていい感じでした。
8分だけネガティブな感情を書きまくる
これはミシガン州立大学の実験で、心配性に悩む学生44人を対象にしたもの。PSWQって定番のテストで61点以上を取った人を集めたそうなんで、心配性レベルはかなりのもんですね。
で、実験では全体を2つにわけまして、
- 8分だけ筆記開示
- 8分だけ前日に起きたことを書く
って作業をしてもらったそうな。筆記開示の方法はシンプルで、たんに自分のネガティブ感情をありのままに書きまくっただけ。「あいつがムカつく!」とか「自分は最低だ!」みたいなものを思うままに記すようなイメージです。
筆記開示グループは脳の利用効率がアップ!
その後、みんなにはフランカータスクって脳トレ系のテストをやってもらい、同時に全員の脳の働きをEEGで計測。すると、両グループにはハッキリした違いが出まして、
- 筆記開示をしたグループは
- フランカータスクの成績が向上!
- 脳のリソース利用効率がアップ!
って結果だったんですな。つまり筆記開示をすると、より脳が労力を使わずに認知の働きがアップしたわけですね。
心配性の脳はつねにマルチタスクをしている
研究者いわく、
心配事は認知のリソースを食ってしまう。要するに、心配事が多い人というのは、つねにマルチタスク作業をしているようなものだ。
彼らはひとつの作業をしながらも、もういっぽうでは自分の心配事をモニタリングしつつ、その感情を抑えようとしている。しかし、筆記開示で心配事をいったん外に吐き出せば、認知のリソースは解放され、もっと脳を効率よく使えるようになる。
筆記開示は、ワーキングメモリから「心配」という荷を下ろす役割を果たす。その結果、「心配」が認知機能の働きを低下させるのを防ぐことができるのだ。
とのこと。マルチタスクが作業の効率を下げるのは有名な話ですが、心配事が多い人の脳は、ひとつの作業に集中してるつもりでも自然と複数の仕事をしてるんだ、と。なるほどねぇ。
そういえば、2016年にも「ワーキングメモリの性能が高い人ほどメンタルが健康で頭がいい!」って話がありましたしねぇ。やっぱ記憶の容量に適度な空きを作ってあげないと、脳がいっぱいいっぱいになっちゃうんでしょうな。
そんなわけで、心配事があって仕事の効率が下がっているような人は、まずは事前に8分だけネガティブな感情を書き出してみるのが吉。それだけでスムーズに作業に取り組めるようになるんだから、手軽でいい方法ですねー。