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お肌の難病「乾癬」に立ち向かうための3大サプリ

Skin

 

少し前に「乾癬には炎症を下げるような食事がいいよ!」って話を書いたところ、こんなご質問をいただきまして。

 

乾癬の記事が大変参考になりました。私は鈴木さんと同じ40代の男です。若いころから軽い乾癬に悩んでいたので、乾癬が炎症だとのお話はすぐに使えそうです。鈴木さんは除去食をおすすめされていましたが、ほかになにか対策はないでしょうか?

 

とのこと。同じようなご連絡はいくつかいただいてまして、やはり乾癬は悩みますよねぇ…。

 



乾癬は免疫の暴走によって起きる

ざっくりおさらいすると乾癬は皮膚の難病で、赤らんだ肌に白いフケのような垢が発生したり、激しいかゆみや関節の痛みが起きたりとか、とにかくQOLが低下しちゃう怖い症状。遺伝の要素が非常に強い病気で、親がかかっていた場合は発症率が65%にあがり、両親や兄弟がかかっていた場合は83%ぐらい(1)。

 

 

ただし、同じ遺伝子を持ってても発症しないケースもよくあるんで、環境的な要素も大。たとえば、

 

  • ストレス
  • 感染症
  • 高血圧のクスリとか
  • タバコや酒

 

なんかでも乾癬はヒドくなったりします。このあたりは、炎症性の疾患すべてに言えることですね。

 

 

その仕組みも謎なところは多いものの、大筋では、

 

  1. 本来は傷や感染症で起動するはずのTセル(免疫細胞)が間違って作動
  2. Tセルがほかの免疫細胞にも働きかけ、炎症性のサイトカインを放出
  3. サイトカインが肌細胞を殺し、ターンオーバーが異常に促進する
  4. 乾癬に! 

 

 って流れが定番かと思われます(2)。いずれにせよ、免疫の暴走による疾患のひとつなわけですねー。

 

 

乾癬に効きそうな3つのサプリ

で、現時点で乾癬の治療というとステロイド薬や紫外線療法がメインでして、もちろんこちらは試していただきたいところ。そのほかに自分でできそうなことといえば、やはり徹底的な炎症対策ということになりましょう。具体例としては「炎症を極限まで抑えるためのガイドライン」を参考にしつつ、前回紹介した食事法を試していただくのが基本。

 

 

さらに近年では、乾癬にサプリが効くのか?について調べてくれた研究も増えてきましたんで、以下はそのあたりをまとめておきます。

 

 

1.ビタミンD

ビタミンDはそもそも乾癬治療の現場でも使われてるぐらい、すでに定評がある成分。こちらは炎症にダイレクトに働きかけるわけではなく、Tセルの増加をコントロールして、サイトカインを減らす方向で動いてくれるんですな(1)。

 

 

有名なのは1985年の実験(2)で、85人の患者さんに1日0.5マイクログラムのビタミンD3を飲んでもらったら、6カ月で症状が27%も改善したとか。しかもおよそ90%の患者さんになんらかの効果がみられたそうで、やはり乾癬の治療にあたってはビタミンDがファーストチョイスだと申せましょう。

 

 

昔から自己免疫疾患に悩む人は体内のビタミンDが傾向がありまして、積極的に補っておくと吉。2015年のレビュー(3)なんかだと、ステロイド薬とビタミンDを併用すると効果がグンとあがるようなので、ぜひお試しください。

 

 

2.フィッシュオイル

フィッシュオイルが抗炎症効果を持つのは有名な話。 乾癬への効果については2014年にカリフォルニア大学からレビュー(4)が出てまして、15件の実験中12件で「症状が改善した!」との報告が出てたりします。

 

 

2011年の実験(5)だと、タカルシトール(活性型ビタミンD3製剤)+1日640mgのDHA/EPAを飲んだ参加者は、タカルシトールだけを飲んだ者より8週間で2倍も症状が改善したとか。これはなかなか有望ではないかと。

 

 

もっとも、当ブログで何度も書いているとおり、市販のフィッシュオイルは酸化ダメージが大きすぎるのが大問題。ヘタな商品を飲むと乾癬が悪化しかねないので、注意が必要であります。

 

 

研究では「Oravex®」っていう酸化の少ない商品を使ってまして、一般人が同じレベルのサプリを手に入れるのは難しそう。お医者さんに頼んでエパデール(EPA製剤)を処方してもらうといいのかもですが…。いちおう第三者機関が調べたオメガ3サプリもありますんで、まずはここから少量ずつ試して様子をみるのもアリ。

 

 

3.プロバイオティクス

まいどおなじみプロバイオティクスにも、いくつかの実験が行われてたりします。なにせ腸内細菌は免疫系の多くをコントロールしているんで、当然ながら乾癬のような免疫の疾患にも効くんじゃないかと考えられるわけです。

 

 

 

実際、前にも乾癬性関節炎の患者は腸の良い菌が少ないってデータが出てますし、2013年の実験(6)でも、特定のプロバイオティクス(Bifidobacterium infantis 35264)を8週間飲んだ患者さんの症状がおさまってたりとか。血液検査をしたところ、CRPやTNA−αなどの炎症マーカーが有意に減ってたそうな。

 

 

ただし、いまのところ、乾癬との関係について調べた菌はBifidobacterium infantis 3526だけなので、その点はご注意ください。具体的な商品名でいうと「アライン」がBifidobacterium infantis 3526を配合しております。

 

 

 

まとめ

そんなわけで、乾癬に効きそうなサプリをまとめてみました。ほかにもクルクミンケルセチン などでも「効いた!」ってデータはあるんですが、いずれも動物実験がメインなので現時点ではおすすめできず。結局、まずはビタミンDを使いつつ、腸内環境を正していくのが基本ですかねー。

 

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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