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国際スポーツ栄養学会による「運動時のベストな栄養摂取タイミングはこれだ!」ガイドライン

Exer

 

 エクササイズもダイエットも栄養補給のタイミングが大事

近ごろ、国際スポーツ栄養学会から「ベストの栄養摂取タイミングはこれだ!」って内容のレビュー(1)が出まして、非常に参考になっていい感じでした。

 

 

ご存じのとおり、エクササイズの効果をうまく引き出すには栄誉を適切なタイミングで摂るのが大事。体の要求に応じて栄養を補給すれば、より負荷が高いエクササイズもできるし、脂肪が燃えやすくなるし、筋肉も増えるかもしんないわけですな。

 

 

今回のレビューは、国際スポーツ栄養学会が過去の研究から質が良いものをまとめて、「三大栄養素の適切な補給タイミングは?」って問題について客観的なガイドラインを出したもの。エクササイズのパフォーマンスを高めたり、かっちょいい体を作るには、いつどんな栄養素を摂ればよいかを示してくれております。

 

 

以下、要点をざっくりまとめていきましょう。

 

 



 

炭水化物の適切な量

言わずもがな、ちゃんと運動の成果を上げるには炭水化物が必須。体が溜め込めるグリコーゲン(糖質の貯金)は380〜500kcalぐらいなので、筋トレや有酸素運動をガッツリやるには不足しちゃう。

 

 

ってことで本論がオススメする糖質量は、

 

  • 1日に体重1kgあたり5〜12gで!

 

って感じ。とくにHIITのようなハードな運動をする場合は、体重1kgあたり8gを下回らないように気をつけたほうがいいとのこと。そりゃそうでしょうな。

 

 

また、エクササイズの最中にグリコーゲンが切れちゃったときは、以下の3つの手法がオススメされておりました。

 

  1. 1時間に体重1kgあたり1.2gの糖質を補給すべし!それもGI値が70以上のものを使うべし!(マルトデキストリンhttp://amzn.to/2kaZW3Kとか)
  2. 体重1kgあたり3〜8mgのカフェインを飲むべし!
  3. 糖質を摂るときはタンパク質も一緒に摂取すべし!1時間に体重1kgあたり0.8gの糖質と体重1kgあたり0.2〜0.4gのタンパク質を組み合わせるべし!

 

糖質といっしょにカフェインやタンパク質を摂るのは、これによりグリコーゲンの合成レートがアップするから。おかげで筋肉のダメージも最小限に抑えられるし、エクササイズ後のリカバリーも最速になるとのこと。これは参考になりますねー。

 

 

さらに高負荷なトレーニングを行うときの糖質量

一回のエクササイズにつき、60分を超える高負荷の運動(最大酸素摂取量が70%以上)をするような人は、さらにグリコーゲンが簡単に不足しがち。この問題を防ぐには、

 

  • 1時間ごとに30〜60gの糖質を追加!

 

 ってのが基本だそうな。同時に汗も大量にかきがちなんで、6〜8%ぐらいの電解質をふくんでいるとベスト。

 

 

とにかく、エクササイズの時間が延びるごとに糖質を増やしていくのが最重要ポイントで、そうしないと筋肉はダメージを受けるし、グリコーゲンは再補充されないし、血糖値のレベルはもとにもどらないし、パフォーマンスも低下しちゃう、とのこと。

  

 

 筋トレとベストな糖質摂取タイミング

 多くの研究では、筋トレのあいまに糖質を補給したほうがグリコーゲンが再補充され、血糖レベルも最適化されることがわかっている。本論では、だいたい8〜12回の筋トレを3〜6セットずつ全身の筋肉をくまなく鍛えるタイプのトレーニングを想定してまして、この場合は、

 

  • トレーニングのあいだに、体重1kgあたり0.8gの糖質と体重1kgあたり0.2〜0.4gのタンパク質を摂る!

 

ってのが推奨されております。こちらのほうがトレーニングへの適応もよく、筋肉のグリコーゲン取り込みも改善し、筋肉のダメージも減るとのこと。とくにボリュームを重視した筋トレをする場合は、トレーニングのあいまにタンパク質を摂ったほうがなにかといいみたい。

 

 

1日を通してよく体を動かす人のタンパク質量

エクササイズもするけど、仕事でもよく体を使うような人の場合、さらに意識してタンパク質を摂取するのが吉。具体的には、

 

  • 1回につき体重1kgあたり0.25〜0.40 gを摂る。タンパク質を摂るタイミングは、3〜4時間おきにすべし
  • 1回のタンパク質摂取量は10gを下回らないように注意!(下回ると筋肉のタンパク質合成が鈍る)

 

 って感じです。日ごろの活動量が多い人は、このパターンを守ったほうが引き締まった体になりやすく、エクササイズのパフォーマンスも向上するとのこと。ただし、この「3〜4時間おきのタンパク質」ってのはあくまでアスリートレベルな人の話でして、一般人にとってはほぼ意味がない可能性が大なのでご注意ください。

 

 

さらに、寝る前に30〜40gのカゼインプロテインを飲むと、代謝とタンパク質合成の両方がアップするので、ガチの筋トレ好きはお試しください。まぁ一般的な筋トレ好きでも同じ方法で効くかは怪しいところですが、寝る前のタンパク質には睡眠の質を上げる働きもありますんで、やってみてもいいかもですね。 

 

 

まとめ

ってことで国際スポーツ栄養学会による「ベストの栄養補給タイミング」でした。タンパク質と炭水化物がメインの内容だったため、「あれ?脂質は?」と思った方もいらっしゃるかもですが、

 

脂肪の適切なタイミングについて調べた調査は、またちゃんと形になっていない。

 

とのこと。いまの段階では、まだ脂質についてはよくわからんみたいなんですな。このあたりは今後の研究待ちってことで。

 

 

また、この論文では「夜よりも日中にガッツリ食べたほうが体型は改善するよ!」 ってアドバイスも強調されてましたので、こちらも合わせてご参照ください。具体的なカロリー配分のバランスについては、「夕食より昼食をガッツリ食べたほうがダイエットには効く」を参考にしていただければ幸いです。どうぞよしなにー。

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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