相手が自分をどう見ているかを声の高さで判断するには?という研究
「相手が自分をどう見ているかは声の高さでわかる!」論文(1)がおもしろかったんでメモ。
これはイギリスのスターリング大学による実験で、学生たちに架空のインタビューに参加してもらったもの。その際に、相手の職業を3パターンに分けたんですね。
- 監獄の防犯責任者(コワモテで威圧的なタイプ)
- ビジネススクールの主任教授(有能で他人から尊敬されている)
- 一般人(どこにでもいそうな普通の人)
ここで研究チームは、学生たちがどんな会話をしたかを動画で記録。会話の相手によって、学生の態度がどう変わるかをみたんだそうな。
それでどんなことがわかったかと言いますと、
- 「相手は自分より格上だ!」と思った場合、学生の声は高くなった
- 「相手は自分より格下だ!(または同じレベルだ!)」と思った場合、学生の声は低くなった
って感じ。要するに、人間は相手を下に見ると声が低くなるんだ、と。おもしろいもんですねぇ。
なんでこういった現象が起きたのかと言いますと、
低くて男らしい声は、支配的な印象を与える。特に男性にはその傾向が強い。いっぽうで、ピッチが高い声には真逆の印象がある。
そのため、会話相手のことを「自分よりも支配的だ」と感じていた場合、あなたの声のピッチは高くなる。
ピッチの高い声は、「従順さ」のシグナルになる。これにより、会話の相手に対して「自分は害がない人間ですよ」とアピールし、トラブルを未然に防げるようになる。
だそうな。つい声が高くなっちゃうのは、「私は安全な存在です!」と相手にアピールしてるわけですな。なんかわかりますね。
声のピッチは、意識的に変えることもあれば、無意識に変わることもある。しかし、いずれにせよ声の特徴は、相手と自分のパワーバランスを測る重要な指標になる。
今回の実験では、男女の性別を問わず、声のピッチは相手とのパワーバランスによって変わることがわかった。
ってことで、ざっくりまとめると、
- 会話中に相手の声が高くなった!=相手が自分にビビったのかも
- 会話中に相手の声が低くなった!=相手がこちらを下に見てるのかも
といったところでしょうか(かなり単純化してますが)。ちなみに、2013年の研究(2)では「声のピッチが低いCEOほど金持ちだ!」って報告も出てまして、やっぱ話し方と社会的な地位ってのはかなり相関してるんだろうなーって印象ですね。