嫌な気分を超手軽に解消できる「ラベリング」はどこまで効果があるのか?
「超ストレス解消法」では、「ネガティブになったときは自分の感情を言葉にしよう!」みたいなメソッドを紹介しております。
これは多くの研究で支持されてるストレス解消法で、
- なんか嫌な感情がわく
- その感情に「これは怒りだ」や「焦りだ」「悲しみだ」などと名前をつける
- ネガティブな感情の種類がハッキリして、対処しやすくなる
みたいな流れでメンタルに効くことがわかってるんですよ。逆になにもせずにほうっておくと、モヤモヤした感情がふくれあがって爆発しちゃうんですな。
で、このテクニックは「ラベリング」と呼ばれるんですが、新たに効果をチェックした論文(1)がいい感じの内容でした。
これは北京航空航天大学の研究で、ツイッターに書き込まれた42,000件の文章を分析したもの。従来のラベリング研究はラボで行われたケースが大半なんで、果たして「現実の世界でもちゃんと使えるテクニックなの?」ってところを調べたわけですな。
具体的には、ツイッターユーザーが感情をあらわにした書き込みだけをチェックしてまして、
- 幸せな気分だ!
- いま最高な感じ!
- 最悪の状態だ!
- 悲しくてしょうがない!
みたいなツイートだけを重点的にピックアップ(いわば天然のラベリングですな)。そのうえで、感情を表現したツイートから6時間前と6時間前の書き込みも調べて、テキストマイニングをしたらしい。この作業により、ラベリングでどんな変化が出るかを追えるわけですね。
その結果について研究チームいわく、
たいていの人は「私は〇〇と感じている」というタイプの書き込みをした後から、急激に感情の強さが弱まっていくようだ。
とのことで、現実的な環境でもラベリングの効果が確認されたんようで、まことに幸甚であります。
さらに具体的にどんなことがわかったかと言いますと、
- 男性よりも女性のほうがラベリングの効果は高い
- ネガティブな感情をラベリングした場合、平均85分で落ち着いた状態へもどる
だったそうな。もちろん、これはツイッターを使った研究なんで、みんなが正直に自分の感情を書き込んだとは限らないわけですけど、他に類例がないアプローチのデータなんで参考になりましょう。
ってことで、なんか嫌なことがあったときは、自分の気持ちを出来るだけ正確にSNSなどへ表現してみるとメンタルヘルスに良さそうっすね。これは手軽でいいっすな。
ちなみに、ラベリング関連のエントリとしては、
なんかも参考になるかと思います。どうぞよしなにー。