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紅茶で食べ過ぎのダメージを防げるかもしれないぞ!みたいなマウス実験の話

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おい!紅茶のダイエット効果がすごいかもだ!」と主張する論文(1)がおもしろかったんでメモ。

 

 

これはカリフォルニア大学の実験でして、残念ながらまだ動物実験の段階なんですけど、ちょっと結果がおもしろいんで押さえておく価値があるかなー、と。

 

 

研究チームは、マウスにハイカロリーな食事をさせてわざと太らせたんですが、その際に4つのパターンを用意しております。

 

  1. 高脂肪&高糖質な食事をあたえる
  2. 高脂肪&高糖質な食事に緑茶ポリフェノールをくわえる
  3. 高脂肪&高糖質な食事に紅茶ポリフェノールをくわえる
  4. 低脂肪&高糖質な食事

 

実験期間は4週間で、どのマウスがもっともハイカロリー食のダメージに耐えられたかをみたわけですね。

 

 

その結果を、まずはグラフでどーぞ。左のグラフが皮下脂肪の変化で、右がカロリーの摂取量。灰色のバーが緑茶グループで、黒いバーが紅茶グループです。

 

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ってことで、ここから何がわかるかと言いますと、

 

  • 緑茶も紅茶もどちらも体脂肪の増加を食い止めている
  • が、摂取カロリーも合わせてみると紅茶の肥満食い止め効果がすごい!

 

みたいな感じです。あくまでマウス実験ではありますが、こりゃなかなかナイスな結果ではないかと。

 

 

なんでこういう効果が得られたかってのは謎なんですが、この研究ではマウスの排泄物を調べたところ、お茶ポリフェノールを飲んだグループは短鎖脂肪酸の量が増えてたそうな。短鎖脂肪酸ってのは、腸内環境を改善したり免疫システムを向上させてくれる物質であります。

 

 

要するに、

 

  1. ポリフェノールを腸内細菌が食べる
  2. 腸内細菌が短鎖脂肪酸を生み出す
  3. 腸内環境が改善する
  4. 肥満になりにくくなる!

 

みたいな流れかなーと推測されるわけっすな。腸内環境と肥満の研究はまだ始まったばかりですけど、ありそうな仮説ですねぇ。

 

 

となると、「ヒトが同じ効果を得るにはどうすればいいの?」ってところが気になるので、実験で使われたポリフェノール量を見てみると、

 

  • 体重1kgあたり320gの紅茶ポリフェノール
  • 体重1kgあたり240gの緑茶ポリフェノール

 

って感じになってまして、これをヒトに換算すると体重1kgあたり20〜27mgをとればいいのかなーというところ。ざっくり言えば、

 

  • 毎食ごとにカップ一杯の紅茶を飲めばOK!

 

ぐらいの話でして、だいぶ敷居が低くて良いのではないでしょうか。

 

 

くり返しになりますけど、あくまでマウス実験なんでヒトにどれだけの効果があるかは不明であります。とはいえ、毎食ごとに一杯ぐらいなら負担じゃないんで、試してみる価値はあるかと思われます。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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