運動しすぎは良くないが、体力はどれだけ鍛えても害はないよ!という研究
運動が体にいいのは間違いないんだけど、運動のしすぎが体に良くないのも間違いないわけです。なにごともバランスが大事。
なんだけど、ここで気になるのが「体はどこまで鍛えればいいの?」って問題でありましょう。たとえば、
- 同世代の人よりも上の肉体
- アスリートレベルの肉体
を持った2人がいたとして、どっちが老化に強いのか?みたいな話ですな。さすがにアスリートレベルまで鍛えると体に悪いのか、はたまた肉体の向上には限界がないのか、という。
ってことで、みんな大好きJAMAに出てた論文(1)は、そこらへんの問題を調べてくれてて有用でありました。
これはクリーブランド クリニックの研究で、平均年齢53.4歳の男女122,007人が対象。全員を24年にわたって追いかけた観察研究で、参加者を5つのグループに分けております。
- 心肺機能が低い(下から25%)
- 心肺機能が平均より下(下から25-49%)
- 心肺機能がちょっと高い(下から50-74%)
- 心肺機能が高い(下から75~97.6%)
- 心肺機能がアスリートレベル(トップの2.3%)
ご存じのとおり、心肺機能はアンチエイジングの重要な指標。2009年のメタ分析でも心肺機能が高い人ほど早期死亡率が下がる!って結果が出てまして、新しい研究でも重要なポイントとして採用してるわけですね。
で、観察期間中にだいたい13,500人がお亡くなりになりまして、そのデータと心肺機能をくらべたところ、
- アスリートレベルの人はとにかく寿命が長い!
だったんですな。要するに、体は鍛えれば鍛えるほど寿命は伸びていくのではないか、と。
具体的にどれぐらいの違いが出るかと言いますと、
- 心肺機能が低い人にくらべて、アスリートレベルは早期死亡率が80%下がる
- 心肺機能が高い人は、心肺機能がちょっと高いより死亡リスクが30%下がる
- アスリートレベルは、心肺機能が高い人より死亡リスクがさらに30%下がる
というわけで、ちょっとビックリするレベルで死亡リスクに差が出てますねー。もちろん、参加者の肥満レベルや喫煙習慣といった要素はコントロールされております。
つまり、ここまでの話をまとめると、
- 短期的にキツすぎる運動を重ねて、オーバートレーニングになるのはオススメできない
- ただし、体は鍛えれば鍛えるほどアンチエイジングには良いので、長期的にはアスリートを目指すぐらいの気持ちで!
ってことになりましょう。なので、
- HIITをやって、定期的に自分の限界を”ちょっとだけ"超える日を作る(週に2〜3回ぐらい)
みたいな感じで、長期的にジワジワと心肺機能を高めていくのを目指すのがよさげですねー。とりあえず、体力は鍛えれば鍛えるほどいい!って結果が出たのは、喜ばしいことではないかと。