すべての努力を無にする「オーバートレーニング」8つの恐怖
当ブログに寄せられる質問でわりと多いのが「オーバートレーニング」の問題であります。
なぜオーバートレーニングは最悪なのか?
「トレーニングの成果が上がらなくて…」というのでくわしく話を聞いたら、週6のペースで1日2時間の筋トレと有酸素運動をしてたりとか。そりゃあエクササイズのメリットも消えちゃいます。
いろいろ聞いてると、
- 運動しないと体重が増えそうで怖い
- エクササイズをサボると筋肉が減りそう
といった不安に突き動かされるケースが多い感じ。わたしも昔は同じ心理状態でトレーニングしてたんで、お気持ちはわかります。
が、そもそも運動がダイエットにあたえる影響はわずかなもんですし、2週間ぐらい筋トレをサボったところで筋肉は減りません。そもそも正しいトレーニングというのは、
- トレーニング=運動+休憩
って式で成り立っております。運動と休憩のどちらが欠けてもトレーニングにはならないんですね。
例えるなら、オーバートレーニングは自宅のブレーカーが落ちたような状態であります。電化製品の使いすぎで過電圧になり、いきなりすべての電気が消えちゃったみたいな。
というのも、ヒトの筋肉は中央神経系を通して脳から指令を受けております。ところが筋肉の使いすぎで中央神経系にストレスがかかり過ぎると、ブレーカーと同じように自動で機能を落としちゃうんですね。
こうなると運動しても筋肉は増えないし、精神は病むし、ずっと筋肉痛だしでいいことなし。ぜひともオーバートレーニングだけは避けていただきたいと思います。
オーバートレーニングで起きるイヤ~な現象
といっても、家によって最大の電圧が違うように、オーバートレーニングのレベルも人によって変わります。運動のしすぎで起こりがちな現象をならべときますんで、自己診断の参考にしてくださいませ。
▼現象1.ハイテンションからのモチベーション喪失
これは「スーパー糖質制限の落とし穴その3」で紹介した仕組みと同じです。つまり
- 激しい運動でアドレナリンが大量に出る
- 一時的にテンションがアップして躁病のような状態になる
- やがて副腎が疲れてアドレナリンが切れる
- モチベーション消失!
みたいな流れ。オーバートレーニングは慢性的なストレスを体にあたえるんで、ホルモンのバランスが乱れまくるわけですね。
▼現象2.不眠
これは、わたしがオーバートレーニングだった時代に悩まされた現象であります。体は疲れてるのに朝4時に目が冷めたりして、なかなかの地獄。
これもカテコールアミン(ストレスホルモン)の作用で神経がたかぶり、中央神経系が不調を起こすせいだと考えられております。
▼現象3.メンタルの不調
イライラが増したり怒りっぽくなったり、逆にうつ症状が出てきたり。神経系にいつも負荷がかかってるせいで、脳がうまく機能しなくなった状態ですね。
▼現象4.安静時心拍数の変動
オーバートレーニングだとカロリーの需要があがるんで、そのせいで強引に代謝がアップ。つねに心拍数が高い状態になっちゃうんですな。
ときどき心拍計を着けつつ筋トレをしている人を見かけますが、あれはオーバートレーニングのチェックに意外と有効なんですな。といっても普通は起き抜けの心拍計を測れば十分だと思います。
▼現象5.異常な筋肉痛
1〜2日の筋肉痛は当たり前ですが、オーバートレーニングだと72時間を過ぎても痛みが続いたりします。この状態になったら間違いなくオーバートレーニングなんで、1週間ぐらい休んだほうがいいかも。
▼現象6.異常なノドのかわき
オーバートレーニングになると筋肉の分解が進み、その際に大量の水分が消費されます。結果としてノドのかわきが襲ってくるわけですね。これも筋肉痛と同じぐらいわかりやすいサイン。
▼現象7.以前と同じトレーニングができない
同じ重さのダンベルを使ってるのに、以前よりも回数が落ちてしまうパターン。体力の消費に回復が追いついてない状態であります。
▼現象8.風邪を引きやすくなった
これは「仕事が終わったとたんに風邪でぶっ倒れるケース」に近い仕組みです。オーバートレーニングのストレスで免疫が抑制され、その間に風邪の感染が進んじゃうんですな。実際、ガチのボディビルダーさんなどは、いっつも風邪を引いてるケースが多かったりします。
まとめ
そんなわけで、オーバートレーニングは怖いぞーってお話でした。上記の症状が出たらもう休むしかないんで、ちゃんとカロリーをとりつつ休を回復させてくださいませ。