朝に運動すべきか、それとも夜に運動すべきか?問題に、それなりに精度の高い結論が出てた件
「運動するなら朝がいい!」とか「いや、夕方のほうが脂肪が燃える!」みたいな議論はエクササイズ界隈の定番。このブログでも、過去に何度か取り上げてきたテーマであります。
このような議論が巻き起こるのは、人間の体にはサーカディアンリズムがあり、体温やホルモン分泌、血糖処理の能力などが、時間帯によって変化するからです。そのため、
- 朝に運動したほうが血糖値が下がりやすいのでは?
- 夕方のほうがインスリン感受性が改善するのでは?
- 食後に運動するなら何時がいいのか?
といった疑問が出てくるわけっすね。
では実際のところ、代謝や健康を改善するための「ベストな運動時間」は存在するのか?ってことで、近ごろ現時点で最良のメタ分析(R)が出てましたんで、内容をチェックしておきましょう。
代謝には運動時間の影響はないかも
この研究は、運動をする時間帯によって、血糖値やインスリン反応などの代謝指標が変わるのかを調べたRCTをまとめたもの。対象になったのは12件の研究(参加者は合計214人)で、運動の種類には有酸素運動と筋トレの両方が含まれております。
では結論はどうだったのか? 朝に運動した場合と、午後または夕方に運動した場合を比較したところ、主な結果は以下のようになりました。
- 運動した当日の24時間血糖値に明確な差はない
- 運動翌日の血糖値にも明確な差はない
- インスリン反応やその他の代謝指標にも一貫した違いはない
ってことで、要するに現時点のデータでは、「この時間帯に運動したほうが健康になれる!」と言えるほどの差は確認されなかったわけですな。少なくとも血糖コントロールやインスリン反応については、朝に運動してもいいし、夕方に運動してもいいって感じですね。
ただし、個人的には、この結果をもって「運動する時間なんてどうでもいい!」と断言するのも早いかなー、とか思ってたりします。というのも、今回の分析にはいくつか問題がありまして、
- 参加者が合計214人しかいない
- 健康な人と糖尿病患者が混在している
- 研究期間が1回きりの運動から12週間までバラバラ
- 運動の種類や強度も研究ごとに異なる
って問題を抱えているんですよ。なにせ対象者や実験方法がかなり違うんで、「朝と夜に差がない」というよりは、「現時点では差があると判断できるほどデータがそろっていない」と考えたほうが正確なんでしょうなぁ。とりわけ、糖尿病がある人や、食後血糖を細かく管理したい人については、今後の研究で特定の時間帯にメリットが見つかる可能性もあるんじゃないか、と。
筋力には少しだけ時間帯の影響があるかも
では、代謝ではなく筋トレの効果についてはどうでしょう? こちらも分析の結果ははっきりしてまして、
- 筋肉量の増加については、朝に鍛えても夜に鍛えても、大きな違いは確認されていない
ってのがまずは大事なポイント。筋肉を大きくするのが目的なら、時間帯よりも、
- 十分な負荷をかける
- 継続的にトレーニングする
- タンパク質と総カロリーを確保する
- 睡眠と回復を整える
といった基本のほうが重要だと考えられるんでしょうな。
一方で、筋力には少し違った傾向が出てまして、
- 朝にトレーニングを続けると朝の筋力が伸びやすい!
などと報告されておりました。まぁ、これは別に驚きの結果でもなくて、たんに肉体がその時間帯で力を出すことに慣れただけでしょうな。
なので、この結果が影響するのは、
- スポーツをやってて朝に試合や体力測定がある人なら、普段から朝に練習したほうが本番で力を発揮しやすくなる可能性がある。
- 逆に、夜に競技をする人は夜にトレーニングしたほうが、実戦に近い適応を得られるかもしれない。
みたいな感じになるでしょう。つまり、「健康になるぞ!」とか「筋肉を増やすぞ!」って目的なら時間帯を変えても意味がなさそうなんだけど、「特定の時刻に最高のパフォーマンスを出したい!」ってことであれば、練習と本番の時間を合わせる意味があるよなーってところです。
で、結局、何時に運動すればいいのか?
ということで、現時点での結論をまとめると、
- 代謝や健康の改善が目的なら、朝と夜のどちらでも構わない可能性が高い!
みたいになります。よくある「朝の空腹時運動が最強!」とか、「夕方は体温が高いから運動効果が高い!」といった話に、そこまで振り回される必要はなさそうっすね。
なので、これから「どの時間に運動すべきか?」って問題に迷ったら、
- 仕事や家事とぶつからない
- 睡眠を邪魔しない
- 疲れすぎていない
- 長期的に繰り返せる
といった感じで、個々のライフスタイルに適した時間帯を選べば問題ないでしょう。朝が得意な人が無理に夜まで待つ必要はないし、夜しか時間が取れない人が「朝にやらないと効果が低い!」とか思い悩む必要もないんで。



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