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記憶力の低下を防ぐヒントは「性格」にあるかもしれないぞ!という研究の話

 

 

記憶力がいい人には、どんな性格の特徴があるの?」って問題を調べた研究(R)が面白かったのでメモしときまひょ。

 

「記憶力がいい人」というと、一般には「若いほうが有利!」とか「持ち前の知能が大事!」みたいな話になりがちなんだけど、今回の研究が注目したのは私たちの「性格」。日ごろの性格や行動パターンが、私たちの記憶力を決めるのかもしれないらしいというんですな。

 

 

 

2万8000人超の性格と記憶力をチェックした

これはモンペリエ大学などの研究で、イギリスやアメリカを含む5つの長期データを分析したもの。参加者は合計2万8000人以上で、なかには67〜103歳の高齢者を対象にしたデータも含まれてたそうな。

 

この時、研究チームは、参加者の性格を「ビッグファイブ」で分類。こいつは当ブログでもおなじみの性格分類で、

 

  • 神経症傾向:不安や落ち込みを感じやすい
  • 外向性:活動的で人との交流を好む
  • 開放性:好奇心や想像力が強い
  • 協調性:他人に親切で協力的
  • 誠実性:計画的で責任感が強い

 

って感じにわけられてるんですな。さらに参加者には、5〜15個の単語を覚える記憶テストをしてもらいまして、ついでに家族や知人による記憶力の評価も使って、実際の記憶力をチェックしたんだそうな。

 

個人的にこの研究が「ナイスだなー」と思うのは、ビッグファイブの特性を、さらに細かく掘り下げて調べてるところです。たとえば、同じ神経症傾向が高い人でも、

 

  • 心配性
  • 神経質
  • 気分が変わりやすい
  • 落ち着きがない

 

といった異なる特徴を持ってるじゃないですか。外向性についても、「よくしゃべる人」と「活動的な人」は必ずしも同じじゃないですしね。ここらへんの細かなニュアンスの違いまでチェックしてるのが、勉強になって良いなぁ、と。

 

その結果、なにがわかったかと言いますと、こんな感じです。

 

  • 記憶力が高い人たちは、以下のような特徴を持っていた

    • 落ち着いていて、心配や緊張が少ない

    • 活動的で、生き生きとしている

    • 好奇心や想像力がある

    • 広い視野で物事を見る

    • 整理整頓ができる

    • 責任感があり、勤勉である

    • やるべきことを最後まで丁寧に進める

 

  • 記憶力が低い人たちは、以下のような特徴を持っていた

    • 不安になりやすい

    • 気分が不安定

    • 不注意である

 

ご覧のとおり、全体として誠実性が高い人ほど記憶力が良い傾向が見て取れますね。基本的に「整理整頓が好き」「勤勉」「責任感がある」などと答えた人は、客観的な記憶テストと周囲からの評価のいずれでも成績が良かったんだそうな。

 

 

 

なぜ「きちんとした人」は記憶力がいいのか?

なんで、こういう結果が出たのかが気になるとこですけども、もちろん「性格そのものが直に記憶力を高めた!」とは限らないので注意っすね。誠実性が高い人ってのは、そもそも、

 

  • 規則正しい生活をする
  • 運動や睡眠を大切にする
  • 約束や予定を記録する
  • 必要な作業を後回しにしない
  • 健康上の問題に早めに対処する

 

といった行動を取りやすい傾向がありますからね。こうした習慣が長期的に脳の健康を守り、結果として記憶力にも良い影響を与えているのかなー、って気もするわけです。性格と記憶力のあいだには、ストレスとか健康状態とか、いろんな経路が存在しますからねぇ。今回の研究はあくまで性格と記憶力の関連を調べたものなので、「整理整頓をすれば記憶力が上がる!」と証明した実験じゃないので、そこは注意っすな。

 

なので、この研究から「性格を変えれば認知症を防げる」とまでは言えないんだけど、この研究から「実践的な知恵」を得たいのであれば、

 

  • 毎日の予定を整理する
  • やるべきことを最後まで終える
  • 新しい分野に興味を持つ
  • 定期的に外出して体を動かす
  • 不安が強いときは落ち着く時間を作る
  • 持ち物の置き場所を決めておく
  • 作業の前後にチェックリストを使う
  • 小さな仕事でも締め切りを設定する
  • 未経験の趣味や活動に挑戦する
  • 定期的に人と交流する機会を作る

 

といった小さな行動なら試す価値はあるんじゃないでしょうか。よしんば、それで記憶力が伸びなかったとしても、少なくとも良い行動を積み重ねることにはなりますからね。

 

ちなみに、私たちの性格ってのは、生まれつき固定されたものではなく、日常的に繰り返す行動によって少しずつ変化することがわかっております。「記憶力が落ちたから、もう仕方がない!」と考えるよりは、まずは活動的で、好奇心を持ち、やるべきことを丁寧に進めるみたいに心がけると、記憶力が後からついてくるかもですな。

 

とりあえず私も、探し物を減らすために机の整理から始めたいと思います。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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