今週の小ネタ:恋人がいない人は、恋人がいる人より不幸なのか?瞑想や呼吸のオンライン練習で、不安は軽くなる?ジャズを聴くと感情のコントロールがうまくなるかも?

ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。
恋人がいない人は、恋人がいる人より不幸なのか?
「恋人がいないこと」は、どこまで「人生全体への不満」につながるのか?って問題を調べた研究(R)が面白かったんでメモ。一般的には「恋人がいない人は寂しそう」みたいに思われがちですが、果たしてこいつは正しいのかって問題っすね。
この研究は、独身歴が長い2,930人の満足度を、11年間にわたって調べたもの。ドイツで行われた大規模調査を使ったもので、対象者の年齢は18〜48歳。結婚しておらず、特定のパートナーもいなかった人たちへ、11回にわたってアンケートを行いまして、
- 人生全体に、どれくらい満足しているか?
- 独身であることに、どれくらい満足しているか?
- 性生活に、どれくらい満足しているか?
- どれくらい恋人がほしいか?
といったあたりをチェックしたんですよ。でもって、満足度の変化が似ている人たちを、統計的にグループ分けしたんですな。
その結果、なにがわかったのかと言いますと、まず人生の満足度だけを見てみると、
- どの年齢層でも、およそ9割が、人生満足度が割と高いグループに入った。この主要グループの人生満足度は、調査期間を通じてそこそこ高めだった。
- 一方、最初の調査の時点で、人生の満足度が低かった少数グループは、年をとるごとに若い世代で改善する傾向が見られたものの、中年層では年をとっても同じような改善は見られなかった。
みたいになっております。つまり、ずっと恋人がいない人でも人生全体には満足している人が多数派だし、満足度が低い人も、その状態がずっと続くとは限らないんだ、と。別に恋人がいなかろうが、普通に人生に満足できるわけですね。
で、この調査でもうひとつ面白いのが、「恋人がほしい!」って欲求が強くても、人生全体への満足は低下しないって結論も出てることですね。具体的には、
- 多くの人は、「恋人がほしい気持ち」をそこそこ強めに持っていた。
- それでも、全体を見てみると、「人生の満足度」は高めな人が多かった。
といったところです。つまり、「恋人がほしくて寂しい」と「今の人生にも満足している」って感覚は、十分に両立しうるということですな。
まぁ、これは当たり前の話で、たとえ「誰かと親密に過ごしたい」という願いは満たされてなくても、仕事で達成感を得たり、友人との会話を楽しんだり、趣味に熱中したりすることはできますからねぇ。恋愛への不満があるからといって、そうした満足があれば問題はないわけで。
瞑想や呼吸のオンライン練習で、不安は軽くなる?
「瞑想や呼吸の練習で、不安は軽くなるのか?」ってのを調べた研究(R)が出ておりました。似た研究は過去にもいろいろ紹介してますが、この研究は、パーキンソン病がある人を対象に、自宅で学べるオンラインのプログラムの効果を試したのが新味であります。
この研究は、パーキンソン病に悩む48人の男女をランダムに分けて、瞑想と呼吸の練習を組み合わせたプログラムを試すように指示したもの。参加者の多くは60歳以上で、
- オンライン講座で、ガイド付きの瞑想と呼吸の練習を6週間学ぶグループ
- 普段の治療を続けながら、それ以外は6週間なにもしないグループ
という2つのグループを比べたんだそうな。
で、最初の6週間が終わったところで比べてみると、
- 瞑想と呼吸の練習を学んだグループでは、待機グループより不安症状が軽くなっていた。
- 一方、その他のメンタルヘルスやパーキンソン病の症状については、明確な改善は確認されなかった。
って結果だったそうです。今回のポイントは、残念ながら病気の症状は変わらなかったものの、「不安」には改善の可能性が見られたところですね。体の症状が変わらなくても、不安が少し軽くなれば、意味はありますからね。
また、この研究では、「瞑想と呼吸はオンラインで十分に学べる」って可能性を示してくれたのも興味深いところ。オンラインでいけるなら、だいぶ手軽になりますからね。
ちなみに、ここで使われた瞑想と呼吸法がどんなものだったかと言いますと、
これら3つを、できる範囲で毎日続けるよう勧められていたそうな。どれも割と簡単なので、関心がある方は試してみるのもいいんじゃないでしょうか。
ジャズを聴くと感情のコントロールがうまくなるかも?
「ジャズを聴くと感情のコントロールがうまくなるかも?」みたいな研究(R)がナイスでありました。
実験に参加したのは、中国の男女300人。普段から音楽配信サービスを使って気分を整えている人たちに、
- ジャズをどれくらい聴くか
- 嫌な感情にどう対処するか
といったことを尋ねてみたところ、いつもジャズをよく聴いている人ほど、
- 嫌なことがあっても、感情を調整する方法をよく使う傾向があった(問題の見方を変えてみたりとか)
- 嫌なことがあっても、音楽に没頭して、日常のストレスから一時的に距離を置く傾向がある
といった関連が見られたとのこと。ジャズを好む人は、なぜか嫌な気分に対処したり、音楽で気分転換したりするのが比較的うまいんだ、と。
でもって、これに加えて、50人の脳波や心拍変動、皮膚の電気的な反応も測定。すると、
- みんなに、ジャズ、アンビエント、クラシックのインスト曲などを聴いてもらったところ、ジャズを聴いているときには、他の曲よりもα波・θ波が増え、心拍変動が大きくなり、皮膚の電気的な反応が低下した。
って違いが出たんだそうな。脳波が変わったからといって、それだけで「ストレスが解消された!」とまでは言えないんだけど、ジャズによってリラクゼーション反応が起きるのかも?と思わせる結果ですな。
当然ながら、この研究だけだと、ジャズを聴いたから感情の扱いが上手くなったのか、もともと上手い人がジャズを好んでいたのか謎。「リラックスにはジャズだ!」と言えるようなデータじゃないものの、「頭が疲れたときの休憩に、音楽を使ってみる」ぐらいに受け取ってみるぐらいがいいんじゃないと。たとえば、
- 仕事が終わっても考え事が止まらないときに、ジャズを数曲だけ流してみる。
- そのあとで、少し気持ちが落ち着いたか、やるべきことに戻りやすくなったかを確認する。
みたいな使い方はアリじゃないでしょうか(ジャズが苦手なら、無理して聴く必要もないですが)。


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