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AIに答えを出してもらうほど、「自分で学ぶ力」は弱くなるのか?問題

   

 

「わからないことがあったら、とりあえずAIに聞く!」が普通になってきた今日この頃。AIに聞けば難しい文章を説明してもらえるし、英語も添削してくれるしで、私も日々お世話になっております。

 

ただ、そこで近ごろよく言われるようになったのが、AIに答えを出してもらい続けたら、自分で学ぶ力はどうなるの?という問題であります。課題を早く終わらせられるのはありがたいものの、そのぶん「学習の意欲は落ちるんじゃないの?」って疑問は当然わいてきますからね。

 

で、近ごろ新たにこの疑問に関係する研究(R)が出てきまして、なかなかいい感じでした。

 

 

487人の大学生に、AIの使い方を聞いてみた

研究チームが調べたのは、中国にある4大学の学生487人。みんなにアンケートを行い、

 

  1. AIをどのように使っているか
  2. 学習にどれくらい自信があるか
  3. 勉強する意欲はあるか
  4. 自分で学習を進められるか

 

などを尋ねたんだそうな。

 

ここで研究チームが注目したのは、論文で「考えなしの利用」と呼ばれてる使い方であります。これは、AIの出力を十分に評価したり、自分で理解したりせず、学習の中心をAIに任せてしまう傾向のこと。たとえば、

 

  • 課題について質問したら、出てきた答えをそのまま使う。
  • 説明を読んで「わかった気」になり、自分では解き直さない。
  • AIの回答が正しいかどうかも確かめない。

 

みたいな使い方のことですね。AIに考えるところまで丸投げするような使い方っすな。

 

で、分析の結果、どんなことがわかったかと言いますと、

 

  • 「考えなしの利用」が多い学生ほど、「何を学ぶかを自分で決める」「理解できたかを確かめる」といった、自分で学習を進める力が低い傾向にあった。
  • また、「考えなしの利用」が多い学生ほど、学習に対する自信や意欲の低さも大きい傾向があった。

 

って感じだったそうな。AIに考える作業まで任せる学生ほど、自分で学ぶ力や自信が低い傾向にあったわけですね

 

まぁ、それも当然の話で、AIに数学の問題を投げまくって、自分で式を立てて「どこで間違えたんだ?」と考える過程を飛ばしていたら、似た問題を一人で解けるかはわからないですもんね。なので、ここで大事なのは、「自分が身につけたい部分まで、AIにやってもらっていないか?」ってのを考えることなんでしょう。

 

 

 

AIが自信を奪った、とまでは言えないので、そこは注意してね

ただし、この研究の読み方には注意が必要なんで、そこも押さえておきましょう。今回のデータは、あくまで学生に一度だけ答えてもらったアンケートなんで、AIに頼るうちに学習への自信が下がったのか、もともと自信がない学生ほどAIに頼りやすいのかは判断不能であります。勉強が苦手な人が、AIを頼れる相手として使っている可能性もありますんで。

 

以上の注意点をふまえつつも、この研究から教訓を得るのであれば、だいたい以下のようになるでしょう。

 

  • AIに聞く前に、自分の答えを一行だけ書く:「たぶん原因はこれだと思う」「この英文はこういう意味では?」ぐらいでいいんで、まず自分なりの予想を書いておくと吉。そのあとでAIの回答を見ると、自分の考えとの違いが見えるんで、最初から完成した答えを読むより、「どこを勘違いしていたか?」を探しやすくなるはず。

  • AIには正解を丸ごと求める代わりに、ヒントを頼んでみる:「答えはまだ教えず、最初の一歩だけ示して」「私の説明の弱いところを指摘して」「理解できているか確認する問題を3つ出して」みたいに指示して、ヒントだけを出してもらう方法。答え合わせや練習相手としては、かなり便利に使えますんで。
  • 最後にAIの画面を閉じて、自分の言葉で説明し直す:AIの回答を読んだときは「なるほど!」と思っても、何も見ずに説明しようとすると言葉が出てこないことがあるはず。そこで初めて、「わかったつもりだった部分」が見つかりますんで、自分の言葉にしてみると記憶にも残りやすくていい感じであります。

 

いずれも、昔から言われてきた勉強法の超基本をアレンジしただけではありますが、AI時代だとここらへんはどうしてもスルーされがちですからねぇ。「いま欲しいのは、この課題の答えか。それとも、次に似た問題が来たときに考えられる力か?」みたいに、いちいち確認してみるといいんじゃないでしょうか。

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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