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借金のストレスは「金額」だけでは決まらない? 66本の研究から考える、お金とメンタルの関係

  


「お金の心配があると、ほかのことが手につかない!」ってのは、多くの人にとって身近な問題のはず。まぁ、毎月の支払いが結構な額だったりすると、そりゃあ気持ちが沈みますもんね。

 

では、お金のストレスはどれぐらい良くないのかってことで、「借金とメンタルヘルス」の関係をまとめた系統的レビュー(R)が出ておりました。

 

これは、過去に行われた借金とメンタルの研究66本をまとめて大きな結論を出したもの。細かいとこは置いといて、まずは結論から言っちゃうと、

 

  • 借金や経済的な負担は、抑うつや不安などのメンタルの不調と一貫して関連していた

 

みたいな感じです。お金の負担が大きい人ほど、心の不調も抱えやすい傾向が、複数の研究で確認されたってことですね。

 

もちろん、「お金の問題があると気分が落ち込む」ってのは意外な話じゃないですけど、ここで興味深いのは、

 

  • 借金のメンタルへの負担は、借りている金額の多さでは決まらない
  • 借金の金額よりも、本人が感じている経済的なストレスのほうが、メンタルの悪化に影響しやすい

 

みたいな結果も出てるとこっすね。それもそのはずで、たとえば、同じ100万円の借金があったとしても、

 

  • 毎月の収入が安定していて、返済の見通しが立っている

  • 来月の収入がわからず、返済すると生活費が足りなくなる

 

って状況だと、感じるプレッシャーはかなり違うはず。借金のストレスを考えるには、それを本人がどう受け止めているかがめっちゃ大事ってことっすね。

 

が、といっても、これは「気の持ちようで借金のストレスは解決する!」って話じゃないのでご注意あれ。どんだけ「きっとなんとかなる!」と考えてみたところで、収入が不安定だったり、頼れる人がいなかったりすれば、同じ返済額でも負担が大きくなるのは間違いないんで。

 

で、ここで研究チームが指摘するポイントが、

 

  • 「自分の生活を、自分で動かせているぞ!」って感覚が大事!

 

というものであります。たとえば、毎月の支払いに追われると、「仕事を変えたいけど収入が途切れるのが怖い」とか、「少し休みたいけど休めない」みたいになりがちじゃないですか。すると、借金そのものの心配に加えて、「自分には選べることが少ない!」って感覚まで強くなり、これが不安や気分の落ち込みにつながるよー、ってことですね。こうしたコントロール感が、借金と心理的な負担をつなぐ大きな要因なんじゃないか、と。

 

でもって、もうひとつ興味深いのが、経済状況が改善しても、心の負担がすぐに消えるとは限らないって傾向も出てたとこです。どうやら、深刻な借金の影響ってのは、たとえ完済したあとでも続くみたいなんですな。家計がいったん持ち直したとしても、「また支払えなくなるかもしれない」という不安が続いちゃうのかもしれませんな。もちろん、これは「一度お金で苦労すると、一生立ち直れない」みたいな意味じゃなくて、あくまで経済的な回復と心理的な回復は、同じペースじゃ進まないよー、ぐらいの話ですが。

 

では、こうした経済的なストレスを和らげるためにどうすればいいのか?ってことですが、このレビューでは、以下の対策が挙げられておりました。

 

  • 周囲の支えを得る: 家族や友人など、困りごとを話せる相手とのつながりを持つ。

  • 地域やコミュニティとのつながりを持つ: 自分がひとりではないと感じられる居場所や、助けを求められる関係を持つ。

  • お金とメンタルの問題を一緒に扱う: 心の不調への対応に加えて、必要に応じて家計や借金についての相談も組み合わせる。ただし、これらを実行すればどれぐらい改善するかは、さらに検証が必要とのこと。

 

でもって、さらに上記の話を踏まえて、今回の話を日常に応用するなら、個人的には『お金の不安を「いくら足りないか」と「何が怖いのか」に分けて考える』ってのが、いいんじゃないかと思ったりするわけです。どういうことかと言いますと、たとえば、

 

  • 毎月の支払いそのものが厳しいのか?

  • 収入が変動するので、先の見通しが立たないのか?

  • 状況を誰にも話せず、ひとりで抱えているのか?

  • 以前の苦しい経験があって、状況が改善しても安心できないのか?

 

といった感じですね。これらの疑問について考えてみたうえで、

 

  • 支払いそのものが厳しいなら:「毎月いくら足りないのかを確認して、返済について相談できる窓口を調べる」

  • 先の見通しが立たないなら:「最低限必要な生活費と、収入が少ない月に不足する金額を整理する」

  • ひとりで抱えているなら:「まずは信頼できる人に、支払いが不安で困っていると伝えてみる」

  • 状況が改善しても不安なら:「今の家計で心配な点と、過去の経験から怖くなっている点を分けて書いてみる」

 

みたいな答えを紙に書き出していくわけっすね。めっちゃシンプルな考え方ではありますが、漠然と「お金が怖い!」と考えているときよりも、対策が見えやすくなるんじゃないかと。

 

これはあくまで、「今回の研究をもとに、自分だったらこうするかなー」ぐらいの話なんですけど、なにごとも自分が何に困っているのかを整理するのが対策の第一ですからねぇ。とりあえず、お金のストレスを感じはじめたら、残高や返済額を確認することと、自分がどこに負担を感じているかを確かめることぐらいは、やっておきたいところであります。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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