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コラーゲンサプリは本当に美し肌と関節に効くのか?って問題について、かなり信頼できる結論が出てた話

 
 

「コラーゲンを飲んでも、どうせ胃腸でアミノ酸に分解されるから意味がない!」みたいに言われたのもいまは昔。近年ではコラーゲンサプリの研究がかなり増えてて、全体としては意外とポジティブな結果が出てたりするんですよね。これは、過去にもいくつか書いてきた話なので、興味がある方はどーぞ。

 

そんななか、今度は新たにコラーゲンサプリの効果をまとめてチェックしたアンブレラレビュー(R)が出てて、なかなか信頼に足る結論を出してくれておりました。アンブレラレビューってのは、複数のメタ分析やシステマティックレビューを、さらにまとめて評価する研究のこと。いわば「レビュー研究のレビュー」で、おのずと信頼性も高まるわけです。

 

今回の分析では、

 

  • 16件のシステマティックレビュー
  • 113件のランダム化比較試験
  • 合計7,983人

 

のデータを統合していて、コラーゲン研究としては、かなり大規模なまとめになってますね。

 

では、さっそく結論を見てみましょう。コラーゲンでもっとも期待できそうなのは、次の2つだったそうな。

 

  • 変形性関節症の痛みや症状の軽減

  • 肌の水分量と弾力性の改善

 

まず関節の痛みについては、コラーゲンサプリを飲んだ人ほど不快感が軽くなる傾向が一貫して確認されたとのこと。これは、コラーゲン由来のペプチドが軟骨の細胞に働きかけて、軟骨の分解を抑えるからかもしれないんだそうな。「すり減った軟骨が完全に元通りになる!」って話じゃないけど、サポート的な役割としてはいいかもですね。

 

続いて、肌についても良い結果が出ていて、コラーゲンを摂ったグループでは、

 

  • 肌の水分量が増える

  • 弾力性が改善する

  • 加齢による肌の変化がやわらぐ

 

といった結果が一貫してたそうな。こちらは、コラーゲン由来のアミノ酸やペプチドが皮膚を刺激し、コラーゲンやエラスチンなどの生産を助ける可能性が考えられております。こちらも美容クラスタにはうれしい結果っすね。

 

昔は「コラーゲンを飲んでも肌には届かない」という説明で終わりがちだったんですけど、いまは「コラーゲンは、分解された成分が美肌のシグナルとして働く」って可能性のほうが高いんでしょうな。

 

さらに、今回のレビューでは、肌と関節以外にも、

 

  • 筋肉量の増加

  • 筋肉の構造的な改善

  • 最大筋力の向上

  • 腱の形態の改善

 

といった結果も報告されていて、こちらも個人的にうれしいところでした。まぁ、コラーゲンは筋肉の発達に欠かせないロイシンの量が少ないので、筋肉を増やすことが目的なら、まずは普段の食事やホエイ、肉、魚、卵などから十分なタンパク質を摂るほうが優先でしょうけども。

 

一方で、腱や靭帯などの結合組織にはコラーゲンが多いんで、関節や腱のケアを目的にコラーゲンサプリを追加するなら理屈は通りますね。つまり、コラーゲンってのは、筋肉そのものを増やすメインのタンパク源というより、結合組織を支える補助食品として考えるのが妥当でしょう。

 

一方で、コラーゲンの効果がはっきりしなかった領域もありますんで、こちらも押さえておきましょう。コラーゲンサプリで効果がなさそうなのは、

 

  • 血糖コントロール

  • 血中脂質

  • その他の心血管・代謝指標

  • 歯や歯茎などの健康

 

といった分野でして、これらについては研究結果がかなりバラバラになっております。一部には良い結果もあるんだけど、現時点で「コラーゲンは血糖値やコレステロールにも効く!」とまでは言えないっすね。ここらへんについては、個人的にも期待してなかったので、「そりゃそうだろなぁ」ってとこではありますが。

 

ってことで、ここまでの話を見ると「コラーゲンはかなり使えるのでは?」と思うかもしれませんが、例によって例のごとく注意点もあったりします。ざっと並べると、

 

  • 今回のレビューでは、エビデンスの確実性は、多くの領域で中程度から低程度
  • 「普通のタンパク質」と比較した研究がほとんどない。←私としては、ここがめっちゃ気になるポイントなので残念

 

みたいな感じっすね。多くの試験では、コラーゲンとプラセボを比べているだけなので、実験で確認された効果がコラーゲンだけでしか得られないものなのか、それともホエイプロテインを飲んでも同じようなメリットを得られるのかは謎なんですよねぇ。ここの切り分けがないと、ホエイプロテインを飲んでおけばいいんじゃない?って疑念はつきまとうんで。

 

いちおう個人的な考えを述べておくと、たいていの研究で使われるコラーゲンは1日5〜15g程度なんで、この程度のタンパク質を追加しただけで肌や関節が大きく改善するとも考えにくいなーってところです。そのため、グリシン、プロリン、ヒドロキシプロリンなど、コラーゲンに多い成分が何らかの役割を果たしている可能性はあるんじゃないかと。あくまで推測ですけど。

 

そんなわけで、現時点での結論をまとめておくと、コラーゲンサプリについては、

 

  • 変形性関節症の症状改善には有望

  • 肌の水分量や弾力性の改善にも有望

  • 腱や結合組織のサポートにも可能性あり

  • ただし、研究の質はまだ十分とは言えない

 

という感じでしょう。私としては、膝や関節に不安がある人、あるいは肌の乾燥や弾力低下が気になる人なら、試してみてもいいんじゃないかなーと思ったりしますね。コラーゲンは安全性も高いし、サプリとして摂取するのも十分にありでしょう。少なくとも、「胃腸で分解されるから絶対に無意味」と切り捨てる段階は、もう過ぎたと考えていいでしょうな。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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