睡眠不足で疲れが取れない!が1日10分の"あれ"でリカバーできるかも?という実験
マインドフルネス瞑想の効果にはまだ賛否両論があって、「そこまでのメリットはないだろう」みたいな論調も少なくないわけです。とりあえず個人的には、ストレスや不安症にはまずますの効果があるだろうし、ダイエットにもいいんだろうなーぐらいには思ってますが。
で、ストレスに効くなら睡眠にもいいんじゃないの?と思うのは自然な流れでしょう。なにせメンタルの悪化は不眠の最大原因のひとつですからねー。
ってことで新たな研究(R)は、マインドフルネスで睡眠不足は補えるのか?ってとこを調べてくれてて有用でした。
これはオレゴン州立大学の実験で、105人の起業家を集めておこなったもの。普通、起業家ってのはストレスフルな毎日を送ってることが多いんで、さぞや眠れない毎日を送ってるに違いない、と考えたらしい。
研究では、起業家たちに以下の質問をしております。
- どれぐらい日々の疲労感があるか?
- マインドフルネス瞑想を実践しているか?
- 毎晩どれぐらい寝ているか?
でもって、すべての答えをまとめたら、結果はこんな感じでした。
- 起業家の40%は週に50時間以上働いており、平均の睡眠時間は1日6時間以下だった
- ただし、毎日のようにマインドフルネス瞑想をしている人は、睡眠不足による疲労感が低い傾向があった
ってことで、とりあえずマインドフルネス瞑想が睡眠不足のサポートに役立つ可能性が確認されたわけです(データとしてはちょっと甘いですが)。
続けて研究チームは別の起業家329人を集めて、こちらでも同じような質問を実行。マインドフルネス瞑想と疲労感の関係を調べたところ、今度はこんな結果が出ました。
- やっぱりマインドフルネス瞑想をしている人ほど疲労感は少ない
- ただし、普段の睡眠が足りていて、それでも疲れている場合にはマインドフルネス瞑想は効かない
ってことで、どうやらマインドフルネスは、ストレス性の睡眠不足にだけ意味があるのかもしれないみたい。
研究チームいわく、
睡眠をマインドフルネスのエクササイズで置き換えることはできない。しかし、ある程度の心の安心感をもたらすため、睡眠不足のサポートにはなるかもしれない。
だそうで、暫定的ではありますが、今回のデータから「どれだけマインドフルネス瞑想をすれば睡眠不足の埋め合わせになるのか?」ってラインをいちおう出してくれております。
- 週に70分または1日10分ずつのマインドフルネス瞑想をすると、1日44分ほど余計に寝たのと同じことになる
くり返しになりますけど、この研究はデータとしては結構ゆるいです。とはいえ、マインドフルネス瞑想である程度まで睡眠不足のリカバリーが効くかも?ってのはおもしろい知見ですな(もちろんちゃんと寝るのは一番ですが)。
さらに研究チームいわく、
もしストレスが大きくて眠れないなら、マインドフルネスである程度は埋め合わせができる。
ただし、もし現時点で睡眠が足りている場合は、マインドフルネスは特に疲労の改善には役立たない。
新たな仕事を始めときなどは、必ず大きな疲労感に巻き込まれる。そんな状況においては、マインドフルネスのトレーニングは、苦境を乗り越える手助けをしてくれるだろう。
ということなので、もし「仕事のストレスでうまく眠れない!」という人がいれば、マインドフルネス瞑想のトレーニングが役立つかもしれません。「そもそも瞑想ってどうやるの?」って場合は、「瞑想をスタートするために必要なすべての知識をまとめてみたぞ」などをご参照くださいませー。