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結果を残せるプロスポーツ選手は、どんなメンタルコントロール法を使っているのか?

Teblet

 

なにごとにおいても感情のコントロールは必須。「緊張して本番で力が出ない!」ってのはどの分野でもある話で、以前もチョーキングを克服する方法をまとめたことがありました。

 

 

でもって、近ごろチェックした論文(R)は、「感情のコントロールがうまいアスリートはなにが違うのか?」みたいな問題を調べてくれてておもしろかったです。

 

 

これはヨハネス・グーテンベルク大学の研究で、ドイツで活躍する310人の卓球プレイヤーが対象。卓球を研究対象に選んだのは、ささいなメンタルの動きが結果を左右しやすいスポーツだからであります。

 

 

被験者のプレイ歴は平均で24年。年齢は39歳前後のベテランプレイヤーが多かったみたい。

 

 

で、彼らになにをお願いしたのかと言うと、

 

  1. 前シーズンを振り返って、自分がどんなメンタルコントロールのテクニックを使ったかを思い出してもらう
  2. その答えとみんなの戦績をくらべる(シーズン後のランキングとか)

 

って感じです。この調査により、どんな感情のコントロールが効きやすいかがなんとなくわかるわけっすね。

 

 

といったところ、結果はこんな感じになりました。

 

  • ランキングが高い選手ほど、以下のテクニックを使っていた

 

  • 逆に、ランキングが高い選手ほど、以下のテクニックを使わない傾向があった
    • カタストロファイジング(最悪のケースを予想してゲームにのぞむ)

 

ってことで、このブログをお読みの方なら納得のラインナップばかりじゃないでしょうか。

 

 

ちなみに、二次的アウトカムを見てますと、こんな結果も出てました。

 

  • 前々シーズンよりも前シーズンの成績が上がったプレイヤーは、とくにポジティブセルフトークを使っているケースが多かった

 

  • 同様に優秀なプレイヤーは、自分を責めるケースが少なかった(もっと練習しておけば……みたいなやつ)

 

試合の前に「勝てるぞ!勝てるぞ!」とかつぶやいてるプロアスリートは多いとは聞きますが、本当に効果があるのかもしれんですなぁ。

 

 

とはいえ、この結果はあくまで「"短期的"に感情をコントロールするために効く方法」でして、長期的にポジティブシンキングを使い続けると逆効果なんでご注意ください。あくまでも短時間の感情をやり過ごすだけならポジティブなセルフトークが効くよーって話です。

 

 

あと、個人的にはポジティブセルフトークより「自分を責めない」ってポイントのほうが重要そうな気がしております。どうも最近の研究を見てると、短期的にも長期的にも、セルフコンパッションが感情のコントロールにあたえる影響はかなりデカそうなんで。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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