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インドア派のアスリートはビタミンDでパフォーマンスが爆上がりするかもよ、という実験

 

当ブログの再頻出サプリといえばビタミンD。メンタルに効く!だとか、腰痛と頭痛が治るかもだ!とか、とにかく質の高いデータが多いもんですから。

 

 

でもって、新しいデータもビタミンDの話(R)で、「アスリートのパフォーマンスアップにどこまで効くか?」を調べてくれてます。ビタミンDはカルシウム量の調整作業も行ってるんで、運動の性能にも影響があると考えられるんですよ。

 

 

被験者は35人のテコンドー選手を対象にしてまして、年齢は19〜22歳のあいだ。テコンドー選手を選んだのは、ほとんど室内のトレーニングがメインなので、体内のビタミンD量が足りないと考えたからだそうです。ここ2年ぐらいテコンドーを習ってる私としても、なかなか気になる研究ですな。

 

 

実験期間は4週間で、トレーニングの頻度は週に5回ずつ。実験前に被験者のビタミンDレベルをチェックして、25(OH)Dが< 50 nmol/L の人だけを選んだそうな。

 

 

って、急に見慣れない数値が出てきたかもしれませんが、25(OH)Dは体内のビタミンD量を示していて、だいたい75 nmol/Lを下回ると「不足」と見なされます。なので、< 50 nmol/Lってのは結構ヤバめな数値だとお考えください。


 

研究デザインはダブルブラインドのRCTで、全体を2つのグループにわけてます。

 

  1. 1日5000IUのビタミンDを飲む
  2. ニセのカプセルを飲む

 

こいつをしばらく続けて、運動能力に違いが出るかをみたわけですねー。

 

 

ちなみに、被験者が行ったトレーニングはなかなかすごくて、

 

  • 午前中に最大心拍数80%の負荷で有酸素運動、または1RM85%の負荷で全身の筋トレを2時間
  • 午後3時からプライオメトリック系の敏しょう性を鍛えるトレーニングを2時間
  • 午後8時からテコンドーのトレーニングを2時間

 

ってメニューを週5でくり返したらしい。これは死ぬ……。

 

 

で、以下に結果です。

 

  • ビタミンDを飲んだグループは、そこそこの相関 (r =0.33 〜 0.46) で筋力・持久力・パワーが向上した!(腹筋を除く)

 

だったそうで、ビタミンDの補充によりほぼすべてのパフォーマンスが向上した模様。やっぱ満足に体を動かすためにもビタミンDって欠かせないのね……。

 

 

ただ、これはあくまで25(OH)Dが50nmol/L以下の人が対象なんで、すでにビタミンDが足りてる人がサプリを飲んでもまったく意味が無いかとは思います。なので、ビタミンDのサプリを使いたいなら、

 

  1. まずはじめに血液検査でビタミンDの濃度を把握する
  2. 75 nmol/Lを下回ってたら、 20-80IU/kgぐらいの範囲で飲んで様子をみる

 

ってのがいいでしょうね。とかいいながら、私も最後にビタミンDレベルをチェックしたのは3年以上前なんで、久々に調べてみるか…….。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。