今週半ばの小ネタ:メンタルにいいアプリ、創造性が高い人はアレが得意、サイクリングで脳機能が爆上がり
ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。
メンタルにいいアプリがわかったかもな件
まずはエッジヒル大学の研究(R)で、200人のWhatsappユーザーを対象にしたもの。Whatsappは世界的に有名なメッセンジャーアプリで、日本でいうLINEみたいなもんです。
この研究では全ユーザーが「どれだけWhatsappを使っているか?」や「みんなのメンタルの調子はどんなもんか?」ってところをチェックしてまして、そこでどんな結果が出たかと言いますと、
SNSが人間の幸福を高めるかどうかについては、科学界でもたくさんの議論がある。しかし、今回の調査でわかったのは、SNSもそれほど悪くないのではないか?という点だ。
Whatsappを多く使う人は、それだけ友達や家族と親密で、主観的な人間関係の質もよかった。
さらに、Whatsappを介した人間関係が親密で、Whatsappのグループにより多くの投稿をする人は、自尊心や社交的なスキルも高い。
だったそうで、どうやらメッセンジャーを使う人ほどメンタルが健康的な傾向があったみたい。
というと、「SNSは人を不幸にする!」って過去データと矛盾するようですが、これはあくまでメッセージアプリに特定したからかなーという気がしております。というのも、SNSで心を病む人ってのは「他人の投稿と自分の現状をくらべる回数が多い」って傾向も確認されてるもんですから。
その点で、能動的に友人や家族とやり取りをするメッセンジャーには比較の要素も少ないですからねぇ。そのぶんコミュニケーションのメリットだけを得られるのかもしれません。LINEについてはよくわからんですが、おそらく似たようなことが言えそうな気が。
創造性が高い人はアレが得意
続いて、「創造性が高い人の特徴はこれだ!」みたいなデータが(R)が出ておりました。
これはダートマス大学などの研究で、どういう実験だったかというと、
- 300人の参加者に「世界は500年後にどうなっているか想像してください」と指示
- 出てきた答えの違いを見る
って感じです。それでどんな違いが出たかと言いますと、
クリエイティブの世界で仕事をしている人ほど、未来を細かくイメージすることができた。日ごろから創造性を駆使する仕事をしているせいで、「いまここ」を超越できたのだと考えられる。
ほとんどの人にとって、現在を超えて想像するのは難しいことだ。しかしクリエイティブのエキスパートは、より鮮明なイメージを思い描くことができる。
とのこと。創造性が高い人ほど未来のイメージを考えるのがうまく、より鮮明で詳しい情景を思い描くことができるんだ、と。
ちなみに、この実験では参加者の脳もスキャンしてるんですが、クリエイティブな人は、未来のことを考えるとデフォルトモードネットワークが起動してたとのこと。そのおかげで頭がクリエイティブモードに入るみたいっすね。
そんなわけで、誰かの創造性をチェックしたい時は、遠い未来の映像を描写してもらうのもアリかもですねー。
サイクリングで脳機能が爆上がりだ!みたいな話
最後はレディング大学の研究(R)で、結論から言えば「高齢者はサイクリングで脳機能がブーストする!」みたいな内容になってます。具体的には50〜83歳の男女100人を対象にした実験で、みんなに対して、
- 1回30分のサイクリングを最低でも週3のペースでやってください!
と頼みまして、それから8週間後の様子をチェックしたんだそうな。それでどんな結果が出たかと言いますと、
サイクリングを行なった高齢者は認知機能が向上した。特に情報を処理するスピードが速くなり、実行機能にも改善が見られた。その効果は、自然の中をサイクリングした場合はもちろん、都市部のサイクリグでも得られるようだ。また、使う自転車が電動でも同じような効果が確認された。
ってことで、たとえ電動アシストがついた自転車だろうが、1回30分のサイクリングは脳機能を大きく向上させるんだ、と。
しかし、特に驚いたのは、エクササイズの負荷が脳機能とは相関しなかった点だ。当初は、電動アシストがない普通の自転車のほうが負荷が高いため、その分だけ脳機能も改善するだろうと考えた。そのほうが循環器系へのメリットが大きいからだ。
ってことで、どうもそこまで負荷が高くないサイクリングでも、十分に脳は刺激できるみたい。これはなかなか手軽でよろしいのではないでしょうか。