ダイエット後にリバウンドしない人の秘密、それは「自動性」
ダイエットがリバウンドしない人の秘密とは?みたいな内容のデータ(R)がおもしろかったんでメモしときましょう。
これはブラウン大学の研究で、過去1年で平均13キロの減量に成功し、そのあとも同じ体型を維持できている人を375人ほど集めたものです。日本でもそうですけど、特に海外ではダイエットのリバウンド問題が深刻なんで、こういう研究が行われやすいんですよね。
研究チームは、おもに全員がどのような運動をどれぐらいのペースでやってるかを調べてまして、以下の傾向を導き出してます。
- 全体の68%が、ほぼ毎日のように同じ時間にエクササイズをしていた
- 参加者の47.8%は、午後や夜ではなく朝にエクササイズをしていた
- たいていの人はMVPAぐらいの軽い運動をし、週に150分以上のエクササイズ量を守っていた
だったそうで、体重のリバウンドに強い人は、エクササイズの時間が一定してる傾向があったらしい。
というと、「朝のエクササイズの方がカロリー消費量が多いのか?」みたいな考え方をしたくなるわけですが、実際はさにあらず。研究チームはこう言っておられます。
エクササイズをいつも同じ時間に行う人ほど、MVPAの量も多い傾向があった。これは朝の運動に限らない現象だ。エクササイズ時間を守り続けるのは、リバウンドしない人の大きな特徴と言えるだろう。
エクササイズの時間をちゃんと守れるような人は総運動量が多い傾向があり、そのおかげで体重を維持しやすくなるんだってことですね。
このポイントについて、論文では「自動性」って言葉で説明されてます。これは「意思や注意力を使わずに発動するパフォーマンス」と定義されてまして、「朝だからそりゃあ運動するでしょ!」とか「ベッドから出たらまぁ普通に運動するよね」ぐらいの感覚がわく状態、みたいな意味。限りなく習慣化に近い概念っすね。
自動性の大事さは言うまでもなく、特にエクササイズのように複雑な行為を続けるためには必須。事実、2016年の系統的レヴューなんかでも、
全体的に見れば、身体活動が無意識のプロセスによってコントロールされているのは明白だ。
って結論になってたりします。研究チームいわく、
たとえば、いつも仕事の後などの同じタイミングでエクササイズをしていれば、そのうち終業とジムが頭のなかでセットになる。すると、仕事終わりにはジムに行くのが普通になり、それ以外の可能性は頭に浮かびにくくなる。
ってことで、脳内で終業と運動がニコイチにな理、そのぶんだけ脳のパワーを浪費しないでエクササイズに臨めるんだ!ってところが強調されておりました。
全てひっくるめると、今回の研究は毎日同じ時間に運動することで、よりエクササイズの総量が増すことがわかった。その時間帯は朝でも午後でも夜でもいい。一貫性がやがて自動性につながるはずだ。
ってことですんで運動量を増やしたい人は、「エクササイズの負荷や運動量は置いといて、とりあえず同じ時間にやるぞ!」とだけ目標を立てておくといいかもしれませんねー。