2年の追跡調査であらためて「SNSをやると不幸に!」って相関が出た件
SNSの研究結果は相反している
SNSってどうよ?ってのはここ数年よく言われる話で、1週間フェイスブックを止めたら幸福度が上がったとか、インスタグラムによる脳の興奮作用がヤバい!とか、SNSで鬱病リスクがアップ!みたいにネガティブな研究があるいっぽうで、SNSでユーザーの信頼感や人生の満足度が上がった(1)なんて結果も出てたりします。
全体的にはSNSよくない!って風潮が強めながらも、まだ研究の質が低い分野なんで、なんとも言えないとこだったりするんですよね。
2年にわたってSNSユーザーの幸福度を追った
が、そんな状況下、近年ではもっとも精度の高いSNS研究が出まして(2)、なかなか参考になりました。これはカリフォルニア大学の論文で、5,208人の男女を対象にしたもの。
ギャラップ社が定期的にやってるSNS調査のデータを使って、フェイスブックの利用時間とメンタルヘルスの変化を2年にわたって追っかけた内容になっております。たぶんこの規模の分析は初めてのはず。
具体的になにをチェックしたかというと、
- 人生の満足度
- メンタルの健康度
- BMI
といったところ。ついでに全員の現実世界での交友関係なんかも調べて、総合的な結論を出したみたい。とりあえず、現時点ではベストの内容じゃないでしょうか。
やっぱりSNSと不幸には相関が
さて、分析の結果わかった事実は非常にシンプルです。
- リアルの対人コミュニケーションは全体的な幸福度を上げる
- SNSの対人コミュニケーションは全体的な幸福度を下げる
さらに細かな話を申し上げますと、
- SNSを使ったコミュニケーションが多い人は、1年以内にメンタルヘルスを損なう可能性が高い
- よく他人の投稿に「いいね!」をつけ、他人がシェアしたコンテンツをクリックする人ほど、人生の満足度、メンタルヘルス、体調のすべてが低下する傾向があった
だそうです。SNSのヘビーユーザーは、メンタルを損なうだけじゃなく、体まで崩しがちなんだそうな。
どんな使い方をしてもSNSで不幸になる?
なんでここまでSNSに不利な結果が出たかはよくわからんのですが、分析を見てますと、「自分の投稿」「他人の投稿のチェク」「いいね!をつける」といった行動が、いずれも同じぐらいメンタルの悪化と関連しているのがおもしろいところ。
というのも、これまでの研究だと、SNSで不幸になるのは「他人の投稿を見て自分と比較しちゃうからだ」って説が有力だったんですよ。ところが、実際は「いいね!をつける」だけでなく、自分で投稿をするだけでもメンタルには悪影響が出ちゃうかもしんないわけですからねぇ。まぁ「自分の近況をみんなに見せたい!」って欲望を持った時点で、そこには社会的な比較の要素がふくまれてるのかもですが。
いずれにせよ、SNSをやればやるほどメンタルも悪化していくって相関が出てまして、1日に1時間以上もアクセスしてるような方は注意したほうがいいかも。というか、個人的には「やめちゃったほうがいいんじゃない?」ぐらいに思うわけですが。