1日5時間しか寝てない人は危険なギャンブルに手を出しやすい
睡眠不足だとメンタルが死ぬってのはいまや常識ですけど、新しい論文(1)では「睡眠不足でリスクの大きい決断をしがちに!しかもその事実に本人は気づかない!」って結論が出てておもしろかったです。
これはチューリッヒ大学の研究で、18〜28才の若者14人を対象にしたもの。そのうち半分のグループには毎日5時間だけしか眠らないように指示、残りには1日8時間は眠るように言いふくめたうえで、1週間ほど過ごしてもらったらしい。
で、全員には2日に1回のペースで「リスク志向テスト」を実行。たとえば、「確実に500円をもらえるのと、2分の1の確率で1,000円をもらえるのとどっちがいい?」みたいな質問をくり返して、参加者のリスク判断がどう変わっていったかを調べたわけです。
すると、実験期間が進むごとに明確な差が現れまして、
- 睡眠不足の時間が重なるほど、参加者はリスキーな決断をするようになった
- しかし、どの参加者も「睡眠不足になる前でも自分は同じ決断をするはずだ」と答えた
って感じだったんですな。研究者いわく、
私たちは睡眠が足りないとリスクを好むようになる。しかし、自分では、リスク選好が変わったことに気づけいないようだ。
とのこと。もちろん、人生ではときにリスクを取ることも必要ですが、この実験だと、睡眠不足の参加者は衝動的に危ない選択をするようになったそうで、ほぼギャンブルにのめり込むような人と似たようなメンタリティになったっぽい。
もちろん小規模な実験なんでなんとも言いづらいところではありますが、睡眠不足が続くと「どうにでも慣れ!」みたいな気分になりがちなのは自分でも実感しているところ。寝不足だと年収が下がるとか貯金額が減るみたいなデータもありますんで、やはり寝不足は金銭面でも損が大きいのだろうなー、と。
このほかにも、睡眠不足の人はネガティブになりがちなせいで友人が減る!社会からも孤立する!なんてデータもありますんで、改善のためにできることは片っ端から試すことをおすすめします。