1日の座り時間を20分減らすだけでも健康レベルには良い影響が
最低でも1日2時間は立たないと寿命は縮む
座り過ぎはよくないよーって話をよく書いてまして、「パレオダイエットの教科書」でもデスクワークをしながら運動できるマシンとかを推奨してるわけです。
イギリス政府のガイドラインでも、最低でも1日2時間は立たないと早死にするよ!って見解でして、スタンディングデスクを推奨しておられます。とりあえず、いまんとこは1日に最低でも120分は立ったほうがベター。
せめて8時間ごとに20分だけでも立とう
なんだけど、新しい論文(1)では「せめて20分だけでも軽く動いて!」みたいな結論になってておもしろかったです。
これはフィンランドで行われた実験で、133人のデスクワーカーを対象にしたもの。そのうち半分には「いかに座り仕事が体に悪いか」を伝えたうえで、できるだけヒマをみて立つように指導したらしい。
と同時に、すべての参加者には毎日の食事日記をつけてもらいつつ、腰に巻くタイプの活動量計をわたして「どれだけ座ったか?」を記録。そのまま1年をかけて経過を観察したんだそうな。
多くの人は本当に立つのが嫌いっぽい
それで、まず毎日の座り時間にどんな変化が出たかと言うと、
- 実験スタートから3ヶ月の時点では、「座り仕事が体に悪い!」と言われたグループは、そうでないグループにくらべて平均で21.2分ほど立つ時間が増えていた(8時間座るごとの数字)
- しかし、12ヶ月の時点では、「座り仕事が体に悪い!」と言われたグループとそうでないグループの差は8分に縮まっていた
とのこと。いくら「座り仕事は良くない!」と言われても、それだけでは、人間は8分ぐらいしか立とうとしないわけっすな。うーん、切ない。
1日20分で筋肉の減少がまあまあ防げる
ただし、ほんの1日8〜21分だけでも、ちゃんと立つ時間を増やした参加者の健康マーカーにはちょっとした差が出まして、
- 血糖値が減った
- コレステロールも改善
- 座りっぱなしだったグループにくらべて筋肉の減りが少なかった
って感じだったんですな。まぁ実際の数値を見ると、そこまで大騒ぎするような結果でもないんですけど、とりあえず1日8〜21分でもハッキリした違いが出るってのは大きいんじゃなかろうかと。
まとめ
もちろん、最終的にはイギリス政府のガイドラインを守るのが理想なんでしょうが、忙しくてどうにもならない!ってときでも、1日8時間座るごとに20分は立って散歩するぐらいはやっといたほうが筋肉が減らなくてよさげ。
欲を言えば、「長生きとメンタルに効く「歩数」のガイドライン」でも紹介したとおり、1日15,000歩ぐらいは歩いたほうがいいように思いますが、そのあたりは自分のライフスタイルとご相談のうえどーぞ。