筋肉の発達に役立つ最新データ4選:クレアチン、ポテトプロテイン、激しい運動で風邪をひく問題、カゼイン
ひとつのエントリにするほどじゃないけど、「筋トレ」について知っておくと便利そうなデータがいろいろ出てたんでまとめておきまーす。
クレアチンを飲むタイミングで筋肉の増え方は変わるか?
筋トレやメンタル改善に役立つサプリといえば「クレアチン」。このブログでも一二を争う頻出サプリなわけでして、私が常用している数少ない成分のひとつなんですが、新たに「筋トレの前後にクレアチンを飲む意味はあるの?筋肉が増えやすくなったりする?」ってところを調べたデータ(R)が出ておりました。
具体的には19人のアマチュア男性ボディビルダーを対象にしたテストで、
- 筋トレの前に5gのクレアチンを摂取
- 筋トレの後に5gのクレアチンを摂取
ってグループに無作為に割り付けて4 週間の様子を見てます。筋トレのペースは週5で、最終的な筋肉量と筋力を測定したんだそうな。
結果がどうだったかと言いますと、
- 筋力と筋肉量のどちらもグループ間で統計的に有意な差はなかったが、運動後にクレアチンを摂取したグループの方が筋肉量が増加する傾向はあるかも?
みたいになってます。おそらくクレアチンのタイミングはそんなに影響を及ぼさないけど、ひょっとしたらワークアウト後のほうがメリットがある……かもなぁ………ぐらいの感じですね。
まー4週間だと十分な効果を確認するのに十分じゃない可能性も高いんで、もうちょい様子を見たいところですけど、いまのところの傾向としては、
- クレアチンは摂取タイミングよりも「定期的にちゃんと摂取できてるか?」を重視した方が良さそう!
ってのは言えるかもしんないですねー。
ポテトプロテインって意味あるの?問題
「ポテトプロテインは筋トレに役立つのか?」という珍しいポイントを調べた話(R)が出ておりました。ポテトプロテインって初耳な方が多いでしょうが、実はジャガイモってロイシン(筋肉に欠かせないアミノ酸)の量が意外と多いことがわかってまして、筋肉量アップに役立つんじゃないか?と考えられてるんですよ。
これは24人のアクティブな女性を対象にしたもので、
- 1日2回25gのポテトプロテインを摂取
- プロテイン補給なしの食事をする
って2つのグループに無作為に割り付けて、2週間の経過をみたんだそうな。ポテトプロテインのグループは合計で1日1.6g/kgのタンパク質を摂取し、対照群は0.8g/kgだったとのこと。両グループの摂取カロリーは等しくなるよう調整されてまして、試験のあいだ週に3回の筋トレをしたらしい。
そのうえで筋肉のタンパク質合成量を調べたところ、
- ポテトプロテインは、対照群よりも安静時のタンパク質合成がちょっとだけ増えたっぽいが、安静時から運動後までの増加は両グループともに実質的には変わらなかった
だったそうで、ポテトプロテインが特に有利だってことはなかったらしい。ベジタリアンだったら使ってもいいんでしょうが、普通にホエイを飲むべきなんでしょうな。
といっても、現時点ではポテトプロテインが他の植物由来の商品(大豆、米、エンドウ豆など)と比べて優勢かは不明なんで、まだまだ様子見でいいと思いますが。
激しい運動で風邪をひいた!を適度な栄養補給や癒すかも?
めちゃくちゃ激しい運動をすると、風邪をひきやすくなるのは有名な話。運動の負荷が身体にダメージを与えすぎて、一時的に免疫システムが低下しちゃうんですよ。
では、この問題をどうすればいいのかってことで、「栄養補給をしっかりすればマシになるんじゃないの?」って話(R)が出ておりました。
これは10週間のRCTで、16人の男性トライアスリート(35~60歳)を集めて、
- トレーニング後とトレーニングを行わない日に、ビーフプロテイン(16.4g)を飲む
- トレーニング後とトレーニングを行わない日に、マルトデキストリン(20g)のを飲む
って感じにした上で、HNP1-3やピーク酸素摂取量、白血球数などのマーカーを見てます。
すると、10週間後の違いはと言いますと、
- 糖質(マルトデキストリン)を飲んだグループは、HNP1-3濃度の低下傾向がわずかに見られた(有意ではない)
- タンパク質を摂取したグループは、全体的にリンパ球数が減少していた
だったそうです。まぁ、どっちもそんな大したメリットではないものの、なんも栄養補給をしないよりはいいだろうぐらいの結果じゃないでしょうか。厳しめの運動をしている人だったら、お試しいただいてもいいかもしれません。
カゼインで筋肉の結合組織は発達するか?
「カゼインは筋肉の結合組織の発達に役立つのか?」を調べた研究(R)が出ておりました。結合組織ってのは筋肉の間を埋める部分で、ニューロンや毛細血管を組織したりして、筋肉組織の発達と成長にめちゃくちゃ大事な役割を果たしてるんですよ。
で、過去のいくつかのデータでは、「筋トレから3時間後にホエイプロテインを飲むと結合組織が発達する」みたいな現象が確認されていて、タンパク質はやっぱ重要だよなーって感じだったんですね。
それではカゼインだったらどうなの?ってのを調べたのが今回のテストで、36人の男性に協力をお願いして、
- 筋トレだけする
- カゼインだけを飲む
- 筋トレ+カゼインを飲む
のいずれかに分類。筋トレをしたグループは、就寝の4時間前に、水平レッグプレスとレッグエクステンションを10回6セット行なったんだそうな。カゼインの量は、トレーニング後(就寝の約3時間前)に20g、就寝時に30gを摂取したとのこと。
その結果がどうだったかと言いますと、
- 結合組織の発達率は、「筋トレだけ」または「筋トレ+カゼイン」のグループで有意に高かった
- 「筋トレだけ」または「筋トレ+カゼイン」のグループを比べた場合は有意な差がなかった
だったそうです。んー、どうやらカゼインを追加で補給しても結合組織へのメリットはなさそうっすね。ただし研究チームは、
- カゼインが40gを超えたらまた違うかも?
- カゼインの代わりにグリシンとプロリンの量が多いタンパク源だったら違うかも?(ゼラチンとか)
みたいにも言ってまして、個人的にもゼラチンとかの方がいいのでは?って気がしております。とりあえず現時点では、結合組織のためにはホエイプロテインを飲んでおくのが良さそうっすねー。