仕事に燃え尽きる人と燃え尽きない人の違いとは?という調査の話
というわけで、「燃え尽き症候群」のお話です。それまで頑張って仕事をしてたのに、急に意欲がなくなって、仕事を辞めちゃったりする現象ですな。
日本でもその数は増えてるそうで、「東京は世界一燃え尽き度が高い都市」(R)なんてニュースも出ておりました。私も2年前の年末あたりに燃え尽きの兆候を感じまして、あわてて仕事を減らしたもんです。怖いですねぇ。
といったところで最近の研究(R)では、
- 仕事に燃え尽きる人と燃え尽きない人の違いとは?
みたいなポイントを調べていて、メンタル弱太郎な私としては、とても参考になりました。
これがどんな調査だったのかと言いますと、
- 35の大病院のCMO(最高医療責任者)に協力を頼む
- みんなのストレスレベルをチェックして、「燃え尽きないようにどんなことをしてますか?」と尋ねる
- みんなの燃え尽き度を調べる
みたいになってます。全体の燃え尽きレベルについては「MBI」っていう定番のテストを使ってまして、気になる方は「日本語版MBI」などでセルフチェックをしていただければと。
さて、調査してみたら何がわかったかと言いますと、
- CMOの69%は、「いまのストレスレベルは深刻だ!」と答えた
- しかし、大半のCMOはストレスバリバリなのに、燃え尽き症候群のレベルが低かった
だったそうです。たいていはストレスが多ければ燃え尽き症候群につながりやすいんですが、大病院のCMOはさすがに自分をコントロールできてたらしい。
では、燃え尽き症候群のレベルが低いCMOたちは何が違ったかと言いますと、
- 感情的知性をめちゃくちゃ大事にしている!
ってポイントだったそうな。感情的知性はダニエル・ゴールマンの著作で有名な概念で、
- 感情のコントロールができる
- 他人の視点に共感できる
- 自分の思考や感覚を正しく認識できる
- 相手が感じていることを感知できる
といった能力を意味しております。昔から感情的知性が高い人は慢性的なストレスに強いとは言われてたんですが、あらためて重要性が確認された感じっすね。
ちなみに、感情的知性を発揮する具体的な方法は述べられてないんですけど、おおよその傾向を見てみると、以下のようなパターンの手法を使ってるケースが多め。
- ストレス源が自分になってることに気づくパターン:自分の思考やルールがストレスになってないかをチェックする(自分の完璧主義がストレスを産んでるんだな……みたいな)
- 自分の強みと弱みをチェックするパターン:自分が持つ知識やリソースの限界をチェックして、そのラインを超えそうだったらすぐに他人に助けを求める
- マインドフルネス系の介入を使うパターン:激しいストレスを感じた場合は、その場で呼吸瞑想などを行って緊張レベルを下げる
- リアプレイザルを使うパターン:何か嫌なことが起きた際に、「患者には悪意があるのでなく、たんに苦しみをぶつけているだけだ」のように自分の思考を現実的な方向に変える
いずれもストレス対策としては定番の内容が多く、感情的な知性が高い人たちは、知ってか知らでか有効な方法を使いこなせているんだなーとか思いました。まぁあまりにもストレスが多い場合は職場を改善するほうが大事だったりもしますけど、いま職場で辛い思いをしている人は「感情的知性」に注目してみると、良い対策が浮かぶかもしれないっすね。