できるだけ健康的にバーベキューをするための8つの手法
https://yuchrszk.blogspot.com/2021/07/8.html?m=0
バーベキューに関するご質問をいただきました。
鈴木さんはよく高温の料理は体に悪いと言ってますが、そう考えるとやはりバーベキューは良くないでしょうか。高温調理なので体に悪そうな気はしますが、一緒に野菜も食べるし余計な調味料も使わないので、意外とそうでもないのかなーと思ったりとか。
ってことで「バーベキューは体にいいのか悪いのか?」ってことですが、まず結論から言っちゃえば、
- そこまで明確な証拠があるわけでもないが、普通に考えれば体には悪いでしょう
ぐらいのお答えになるでしょうね。代表的なデータとしてはAHA(米国心臓協会)の研究がありまして、10万人以上の男女の健康状態を10年以上かけて追っかけたら、
- 月に15回以上グリルなどで肉を食べる人は、月4回以下の人に比べて高血圧のリスクが17%高い
- 肉をじっくり焼くのが好きな人は、レア好きより高血圧リスクが15%高い
みたいな傾向があったそうな(R)。もちろん、この結果だけで「バーベキューは悪だ!」って結論を出すのはムリながら、「まぁリスクはあるよなぁ……」って感じですかね。
こういった現象が理由はいくつか想定されてるんですが、ざっくり並べていくと、こんな感じになります。
- そもそも肉が病気と関係している:バーベキューでよく使われる牛や豚肉は、発癌リスク(R)がよく指摘されている。ただし、なんでこれらの肉で癌リスクが高まるのかについてはまだ謎が多い。
- 加工肉の悪影響においては何をかいわんや:ソーセージなどの加工肉は、WHOが「グループ1発癌物質」に分類(R)してるぐらいで、信頼できる研究はかなり多め。
- ヘテロサイクリックアミン(HCA)ができる:肉を高温で焼くと、HCAって発癌物質ができるのは有名な話(R)。HCAは肉のアミノ酸とクレアチンが反応して生成される物質で、かなり悪評が高い物質であります。
- 多環芳香族炭化水素(PAHs)が発生する:肉汁が高温であぶられると炎や煙が発生し、これによりPAHって物質が作られるんですが、こいつは人間のDNAに作用することが知られており、煙を吸い込むだけでも体に良くなかったりします。
ってことで、いろんな可能性が指摘されてまして、高温調理が悪いだけでなく「肉も危ない!」「焼いた煙も危ない!」って話でして、そう考えればバーベキューも良くないでしょうなぁ。
以上をふまえた上で、それでもバーベキューを楽しみたいのであれば、以下のポイントをお守りいただくといいでしょう。
- 炭火じゃなくてガスで焼く:ガスの方が煙の量が少なくて済むので、PAHの発生を抑えられる。また、ガスはそれほど温度が上がらないのでHCAの発生も少なくなる)
- レッドミートと加工肉を削減する:どっちも発癌リスクが高いので、鶏肉、魚などの肉を増やすことでリスクを減らすことができる(もちろん、これらの肉を焼いてもHCAは発生するけども)
- 野菜をたくさん焼く:HCAを生成するクレアチンは肉にしか含まれてないので
- 肉は小さく切る:小さく切れば火を通す時間が短くなり、その分だけリスクを減らすことができる
- 肉を焦がさない:高温で焼くほどHCAが発生するし、煙も出やすくなるんで当たり前ですな。もし、肉が焦げてしまったら、その部分は捨てるのが一番
- 別の方法で調理しとく:肉をグリルする前に、低音調理や電子レンジで火を通しておき、仕上げにさっとグリルで加熱すると有害な物質の量がへる
- 肉はこまめに裏返す:米国がん研究所などは、有害物質のリスクを減らすために、肉を焼くときに裏返したり回転させたりすることを推奨してたりします
- 肉を先にマリネしておく:こちらも米国がん研究所のアドバイスで、肉や魚を焼く前に、酢、油、ワイン、レモン汁などで30分以上マリネすることを推奨しております
- 肉の脂を落とす:肉の脂肪は煙を発生させやすいんで、事前に目に見える脂肪をカットしておくだけでも結構違う
これらの手法は、肉を食べるとき全般に有効なんで、覚えておくといいかもしれないですねー。