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「結局、砂糖や果糖は体に悪いのか?」問題を掘り下げる


 

砂糖に関するご質問をいただきました。

 

はじめまして。鈴木さんのブログを読んでいると、砂糖が悪いようにも思えるし、砂糖はそんなに問題がないようにも思えてきて混乱します。両方の視点の記事があるようなので……。これはどう考えればいいのでしょうか……。

 

ということで、「パレオな男」では糖の被害にフォーカスした話がある一方で、糖は必要だ!悪くない!って話も取り上げてまして、果たしてどうとらえればいいのか?って問題ですね。確かにここは混乱しがちなポイントかもしれません。

 

 

で、まずは結論からまとめておくと、こんな感じになります。

 

  • 1日に必要なカロリーの範囲に収まっている限り、砂糖や果糖が悪さをすることは少ない
  • ただし、砂糖や果糖は美味いので、カロリーのとりすぎにつながる場合はダメージが起きる

 

って感じで、要するに「問題は摂取カロリーだ!」ってことになるでしょうね。

 

 

一例としてましては、砂糖の使用と代謝疾患(糖尿とかメタボとか)の関係を調べたカリフォルニア大のレビュー(R)がありまして、その一部を抜粋すると、

 

メタボリックシンドローム、心血管疾患、2型糖尿病の有病率は、過体重・肥満の有無と強く相関しており、これが原因(過体重・肥満)と結果(代謝疾患)の関係にあることはほとんど議論の余地がない。

 

したがって、添加糖の摂取が他の多量栄養素と比べて体脂肪の増加を促進するのであれば、これは高糖質食が代謝疾患の発症に寄与する第二の間接的な経路であると考えられる。

 

みたいになります。つまり、世の中で「砂糖の問題だ!」と言われがちな病気の多くは、せんじつめれば単に太り過ぎが原因なのであり、その点で砂糖や果糖自体が悪いわけじゃないんだってことです。これは糖尿病治療の世界でもよく言われることですね。

 

 

さらに、2016年にはトロント大学などのチームが「ショ糖や果糖と病気」に関するメタ分析(R)をしてくれていて、こんな結論に達しておられます。

 

過去の試験から得られた最高品質のデータをまとめると、果糖をふくむ糖類は、過剰なカロリーを供給する場合にのみ、体重増加、心血管の病気リスクの増加、および病気そのものを引き起こすことが示された。

 

食事のカロリーを一致させた場合、果糖をふくむ糖類は、複合糖質、脂肪、タンパク質といった他の栄養素と比べて体重の増加を引き起こすわけではなく、低用量の果糖であればメリットを得られる可能性さえある。

 

要するに、果糖という糖質には何の特徴もないということだ。もちろん過剰に摂取すれば問題を引き起こすが、有害な原因となっているのはあくまでカロリーの過剰であり、果糖そのものに特別な害があるわけではない。

 

こちらは果糖にフォーカスした内容になってて、やはり問題は過剰なカロリーであり、糖そのものには悪いことは何もないってのが結論ですね。さらに、本件から得られた知見を申し上げますと、

 

  • 果糖をふくむ糖類と心血管病リスクとの関係は、砂糖入りのドリンクにだけ示されており、他の食品からの糖類については確認されていない

 

  • 15件の前向きコホート研究を含むメタ分析(R)では、糖と糖尿病との関連は認められなかった。というか、ショ糖は2型糖尿病のリスク低下と相関していた

 

  • さらに最近の前向きコホート研究のメタ分析(R)では、総糖類133g(総カロリーの26%)、果糖58g(総カロリーの11%)ぐらいを超えると心血管の病気による死亡率が上がる可能性がある。

    また、添加糖による害の閾値は65gで、総エネルギーの13%ぐらい。これは砂糖やシロップに換算すると小さじ13杯分(大さじ3杯弱)に相当する。

    ただし、上記の数字はあまり運動をしない人に対するものなので、エクササイズが好きな人だと当てはまらないかも。

 

ということで、病気リスクにつながるのはドリンク系であり、その他については、あくまで適切なカロリーに収まっている限りは大きな問題はないとの結論であります(ドリンクは摂取カロリーの増大につながりやすいため)。

 

 

いろいろ書いてきましたが、最終的な結論は上述のとおりでして、

 

  • 本当に重要なのは総摂取カロリーだ!
  • まぁそうは言っても砂糖や果糖だけとってたら栄養が偏るので、割合に注意してね!

 

ぐらいのもんですね。そこまでビビらなくてもいいので、自分の体が必要とするカロリーの範囲内でお楽しみください。


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