天才の条件は「立体パズル」が上手いこと
天才は物事を立体で考える
知人にすごーく頭の良い男がおりまして、以前に彼がこんなことを言っておりました。
物事を考えるときは、頭のなかに立体の構造物を浮かべて、これを操作していく。
なんでも統計の数字を読むときなどは、脳内にレゴブロックみたいな三次元の立体が出てきて、そのパーツをいろいろ組み替えながら考えていくんだそうな。どんだけ抽象的な概念でも、リアルな構造としてイメージできちゃうわけですな。
これを聞いたときに、わたしは「天才ぶってるだけじゃね?」とか思ったんですが(笑)、どうも彼の言葉はまんざらウソでもないらしい。というのも、いろいろ見てたら「天才は3次元の把握が超得意!」って話がかなりあったもんで。
たとえば代表例が2013年の調査(1)で、13歳の時点で「天才だ!」と判断された男女563名を対象にしたもの。具体的には、基礎学力テストで上位0.5%に入った子供だけを選んだらしい。
空間認知が天才を生む
で、この調査では、彼らの人生を35年にわたって追い続けまして、定期的に全員がどうなったかをチェックしたんですね。
その結果は「生まれつきの天才は人生がイージーモード」で書いたこととほぼ同じ。13才で天才だった子供は、48才の時点で大金持ちになっており、良い職についている確率が高かったんですな。
さらに、研究チームは、「天才たちに特有の能力はなに?」って疑問について調べたところ、
- 13才時の基礎学力は、天才を生む原因の11%に関連する
- 空間認知は、天才を生む原因の7.5%に関連する
基礎学力が大事なのは納得しやすいですが、さらに空間を把握する力も大事なんだ、と。
頭の中で立体をコントロール
空間認知ってのは、物体の位置関係をすぐに理解できるかどうかで、
- 複雑な立体をスパッと2つに切ったときの、断面図を推測する
- いろんな形の立体を水に沈めたときに、どれだけ水位が変わるかを判断する
みたいな能力を指しております。具体的には、以下のサイトのテストなんかが典型例。
研究者いわく、
数学や言語だけでなく、空間認知の能力にも優れた学生は、さまざま分野で並外れた才能を示すことがある。たとえばエンジニアや建築家、外科医などだ。
とのこと。どうやら、頭のなかで立体をコントロールできる人は、抽象的なアイデアをより簡単に操れるらしい。立体の把握が得意な方は、まことにおめでとうございます。
ちなみに、わたしは空間認知テストが大の苦手なので、この研究結果には激しく納得させられました。言われてみれば、13才のときの成績も悪かったなぁ…。