室内のホコリには有害な化学物質が溜め込まれてるかも
室内のホコリが化学物質を溜め込む
こないだ米政府が「薬用ソープはヤバい!」って勧告を出しまして、あらためて日用品にふくまれる化学物質が注目されている昨今でございます。
で、新たに出た論文(1)では、室内にたまったホコリにふくまれる化学物質の量についてガッツリ調べてくれていておもしろいです。もともとホコリってのは大気中の物質を集めやすい性質がありまして、
- コスメなどから化学物質が空気中に舞う
- 大気中のホコリが化学物質をキャッチ
- ホコリが床や壁にたまる
- 室内の化学物質が特濃に!
みたいなことになりがちなんですね。
もちろん、日用品に使われる化学物質には厳密な基準がありますんで、普通に使ってるぶんには問題もなし。ただしホコリとして室内にたまった場合にどうなるかは、まだ未知数だったりします。まぁアラフォー過ぎのオッサンは感度が鈍ってますんで、そこまでの悪影響はないような気もしますが、小さな子供がいる家庭では気にしといたほうがよさげ。
ホコリにふくまれる化学物質トップ5
で、今回の研究は、2000年から行われた「ホコリと化学物質」に関する26件のデータをまとめたメタ分析になっております。もちろん、科学的な信頼性は高め。
過去のデータを精査した結果、なにがわかったかと言いますと、
- 室内の90%のホコリには、有害(の可能性がある)化学物質がふくまれている
- ホコリに集まった化学物質は、特に子供の体に吸収されやすい
- ちりも積もれば山となるため、ホコリによる化学物質の悪影響は否定できない
みたいな感じ。なかでも多く検出された物質は以下のとおりであります。
- DEHP:食品パッケージなんかに使われる。ホルモン分泌を乱す可能性アリ
- DEHA:食品パッケージなんかに使われる。生殖機能に弊害が出る可能性アリ
- HHCB:香料などに使われる。有害性は不確定
- BBzP:床を覆う塩化ビニールなんかに使われる。ホルモン分泌を乱すかも
- TPHP:家具や電化製品に使われる。生殖機能と神経系に弊害が出るかも
というわけで、家のホコリには、あらゆる化学物質が滞留している模様。ほかにも、化粧品に使われるDnBPやMeP、シャンプーやローションに多いDiBPなどが多いみたい。
化学物質と共存していくには?
研究者いわく、
わたしたちの住居に溜まった化学物質のレベルは、驚くべきものだった。日用品や建材に使われる化学物質は、もっと安全な素材で代用されるべきだろう。
とのこと。アメリカのデータではありますが、DEHPなんかは日本でも普通に使われてますからねぇ。長年にわたって室内に溜まった場合の影響は、確かによくわからんとこですな。
まぁ、この手の問題については、ゴジラよろしく共存していくしかないので、「完全に撤廃せよ!」と言うのも難しいところ。当座の対処法としましては、
- HEPAフィルターの空気清浄機を使う
- 床は濡れ雑巾で拭く
- 定期的に石けんで手を洗う
- できるだけ化学物質が少ない商品を使う
みたいなとこです。わたしも床掃除はしないと…。