朝食を抜くと頭が悪くなる?
朝食で頭が良くなる!は本当か?
昔から「朝食を食べると頭が良くなる」って説があるんですよ。 起きた直後は頭がガス欠になってるんで、何かを口にして糖分を補給したほうがいいんだよーって話であります。
こういった主張が出たのは、実際に「子供に朝食を食べさせたら成績が上がった!」みたいなデータがあるから。たとえば2013年の観察研究(1)でも、朝食を食べる子供ほど成績がいいって傾向がハッキリ出てるんですよね。そのため、アメリカの食事ガイドライン(2)でも、最近では「子供も大人も朝食を!」とオススメされております。
が、これらの研究には難点もありまして、
- あくまで観察研究なので、本当に「朝食で頭が良くなる」のかはわからない(ちゃんと朝食を食べる子供は運動もしている確率が高く、そのせいで頭が良くなるのかもしれない)
- 「朝食で成績があがった!」という実験は、もともと栄養不良だった子供を対象にしているケースが多い
みたいな感じ。実際ところは、まだよくわかってないんですね。
しかも、当ブログをお読みの方はご存じのとおり、近年では「プチ断食が体にいい!」ってデータも多めであります。2011年には、プチ断食で脳機能があがったなんてデータ(3)も出てまして、果たして朝食が頭にいいのかは判断が難しいとこなんですよ。
といったところで、新たに出た論文(4)では、朝食が子供の脳にあたえる影響について調べてくれていて、とても参考になりました。
朝食抜きで脳の機能が変わるかをチェック
これはベイラー大学の実験で、8〜10歳の子供128人を対象にしたもの。まずは全員を3つのグループにわけたんですね。
- 朝食抜き
- 朝にリンゴとヌテラ(ヘーゼルナッツがベースのチョコ菓子)、牛乳を食べる
- 朝にリンゴとワッフル、牛乳を食べる
朝食は2パターン用意されてますが、どちらもカロリーと三大栄養素のバランスは同じに調整したとこと。朝食は8時半に提供されまして、その後、10時半に脳のパフォーマンスを計るテストを行ったそうな。
テストで診断したのは、記憶力や言語の活用力、学習能力など。脳の機能をまんべんなくチェックしたみたいですね。
朝食を抜いても脳の働きはまったく同じだった
それでは、結果をグラフで見てましょう。
まー、ほぼキレイに横並び。家庭の収入や教育レベルといった要素を調整しても、すべてのグループで有意な差は出なかった模様です。
まとめ
もちろん、これは1回きりの実験なんで、ずーっと朝食を抜いてたら脳に悪影響が出る可能性も否定はできず。また、当然ながら「子供もプチ断食をしよう!」って話にはなりませんのでご注意ください。
なんせ子供は栄養不足に敏感なんで、現段階では小さい子には朝食をとらせたほうが無難じゃないかと思います。今回の実験では差が出なかったものの、「朝食は子供の健康にいい!」って観察データは超多いですからねぇ。
ただし個人的な雑感としては、
- とりあえず、朝食抜きで脳の機能が下がるってことはなさそう
- 成長期を終えたアラフォーは、朝食を抜いたほうがカラダには良さげ
って感じですかね。子供と違って、大人のカラダは細胞にゴミがたまりがちなんで、定期的にプチ断食で大掃除をしたほうがいいのかなーと思っております。どうぞよしなに。