仕事の生産性が激しくアップする心理テク「VIA+SMART」の手順
強みを活かせば仕事の生産性が上がる?
ビジネス書クラスタでは「自分の強みを活かそう!」ってフレーズをよくみかけますが、「実際にその戦略は正しいの?」って問題については、まだ検証が進んでいる段階だったりします。
過去に取り上げた例だと、自分の強みを意識しながら暮らしたら幸福度が上がったって報告が出てたりとか。現時点では、「強みを活かそう!」ってアドバイスは、毎日をごきげんに暮らすための戦略としては正しそうな感じがしております。
で、新たに出た論文(1)では、「強みを活かして仕事の生産性を上げる方法」についてガッツリ調べてておもしろいです。
まずは自分の強みを把握すべし
これはノースセントラル大学の実験で、74人の男女を対象にしたもの。まずは参加者の全員に以下の手順で「自分の強み」を把握してもらったんですね。
- VIAサーベイでテストを行い、「自分の強み」ランキングを出す
- 自分の強みの上位トップ5から好きなものを選ぶ
- 選んだ強みを、毎日「新しい方法」で使ってみる
「VIA」サーベイはポジティブ心理学の研究にもとづいて作られたテストで、自分の生まれ持った興味や特質を選び出してくれる無料サービス。ちゃんと日本語でテストできるので、1回は試して損はないかと思われます。
ちなみに、わたしのトップ5はこんな感じ。向学心と新奇探索傾向がトップに来てるのは、我ながら納得であります(そうでもないと、こんなに投資対効果が悪いブログなんてやってない)。
つまり、私の場合は「向学心」か「好奇心」を活かすといい感じなんで、
- 出版界のシステムや現状について深掘りしてみる(向学心)
- 違う業界の人に対していまの関心事を聞いてみる(好奇心)
といったあたりを実践していくとよさげ。とにかく自分の強みを意識して使っていくのが、今回の論文のポイントになっております。
強み+明確なゴール設定
で、実験では、全員の「強み」を計測したあとで、さらに以下の2グループにわけたんですね。
- 「強み」の把握に加えて、SMART方式で毎日のゴールを設定する
- 自分の「強み」をできるだけ活かすようにして暮らす
SMARTはご存じの方も多いでしょう。目標を決めるときに使う考え方のひとつで、
- S(具体的)=できるだけ具体的に明確な目標に落とし込む
- M(計測可能)=目標の達成度が数字で把握できる
- A(達成可能)=夢のような目標ではなく、現実に達成できそうなレベルを選ぶ
- R(関連性)=自分の仕事の内容に関係があるかどうか
- T(締め切りが明確)=いつまでの目標を達成するかを決める
の頭文字を取ったもの。たとえば「向学心を活かすぞ!」と決めたところで、それだけではフワフワして取り組みにくいので、
- 具体的=「向学心を活かすために統計学入門を勉強するぞ!」
- 計測可能=「1日に3ページずつ進めていくぞ!」
- 達成可能=「6カ月で読了できるな…」
- 現実的=「統計学を学べば返品が少ない本の傾向がハッキリするかも…」
- 締め切りが明確=「2017年の5月までにやるぞ!」
みたいなことです。目標設定の方法としてはド定番っすね。
VIA+SMARTグループは生産性が激しく向上
さて、以上の指導をしたうえで全員の成果量をチェックしたところ、
- 強み+SMARTを実践した参加者は、たんに強みを活かした場合よりも、目標の達成レベルが2〜3倍に向上!
- さらに、強み+SMARTを長く実践すればするほど、目標達成率は上がっていく!
って結果だったんでそうな。どういうことかというと、
- 強みをベースにSMARTな目標を設定する
- 通常より強みを活かす場面が増える
- さらに多くの目標を設定するようになる
- さらに強みを活かす場面が増える
っていう上昇スパイラルになってたらしい。まぁそういうもんかもしれませんな。
まとめ
ってことで、以上の話をまとめると、
- VIAサーベイで「自分の強み」を出す
- その強みを活かすような目標を立てる
- 立てた目標にSMARTで磨きをかける
ってステップを行うと、日々の幸福度が高まるうえに、実際に仕事の成果にブーストがかかりやすくなるわけっすね。正直、あんまSMARTとか意識してなかったんですけど、試してみようかしら。