自分が何のために働いているのかわからなくさせる「7つの大罪」
仕事の環境をムダに悪化させないために
ちょっと前に「自分の仕事が虚しくなったときのチェックリスト」ってのを紹介しまして。いろんな職種の人にインタビューをしたら、深い意味を感じながら仕事をするために必要な5つのポイントがハッキリしたよー、みたいな話でした。
で、実は同じ論文に「仕事から意味を奪う7つの大罪」って分析もついてるんですよ。この7つの要素が増えるほどは仕事の意味は損なわれていくので、できるだけ自分の人生から遠ざけていくのがポイント。仕事の環境をムダに悪化させないためのチェックリストとしてご活用ください。
仕事から意味を奪う7つの大罪
1.上司が部下の働きを「当然のもの」と認識している
どれだけ部下が残業しようが、ハードに働こうが、それを上司が当然のことだと思っているケース。この論文の例でいえば、
- 休暇を取った同僚の仕事をカバーしたのに感謝されなかった販売員
- 地味な基礎研究を上層部から認められなかった学者
といった例があがっておりました。非常にわかりやすい話ですね。
2.不公平
大半の参加者から「仕事を虚しくさせる要素」としてあがったのが、不公平や不正。この論文では、
- 「予算がないから昇給できない」と言われたのに同僚が昇給しているのをみた石工
- 「タダで映画用のスコアを書いてくれないか?」と言われたミュージシャン
といった具体例があがっておりました。ほかにも、そもそも仕事のシステムが不公平なケースも多そうっすね。
3.目的がわからない作業
意味がわからない書類をひたすら埋めたり、どのパーツかわからないネジをひたすら締めたり、「毎週やる」と決まってるから開かれる会議に参加したりと、とにかく何の目的があるのかわからない作業が続くケース。この論文では、
- 週一で店内のレイアウト変更をさせられるが、翌週には元の配置にもどすように言われたショップアシスタント
って例があがっておりました。強制収容所の拷問みたいな話ですねぇ。出版界でも謎の会議とか打ち合わせがやたら多いので、私はよく逃げ回っています(笑)
4.明らかに良い判断を無視される
自分の判断を受け入れてもらえないケース。この論文だと、
- 婦長から明らかに間違った手順を指示されたナース
- 最新のマシンが使えるのに昔ながらの手法を命令された大工
- 事件を早く終わらせるために予算の削減を指示された弁護士
って事例が出ておりました。要するに、自分の意見や経験値に聞く耳を持ってもらえない場面ですね。これもありがちな話ですな。
5.ムダなリスク
成功にはある程度のリスクが必要ですけど、どう考えてもムダなリスクを取らされちゃうケース。この論文だと、
- 荒天の日に、満足な装備もなく駆り出された兵士
- 攻撃的な患者と二人っきりにさせられたナース
みたいな例があがっておりました。避けられる事故や困難に対して、満足な備えがなされてない場面ですね。
6.孤独
孤独は体に良くないよ!って話もありますが、もちろん孤独は仕事にも悪影響。社内で同僚やチームから孤立したり、窓際に追いやられたりすれば虚しくなるのは当然ですが、この論文では、
- スタートアップ時に誰も頼れる人がいない起業家
- 事業が成長するに従って新しい人が増え、過去の体験をわかちあえる同僚が減るケース
- そもそも自分の作品がなかなか売れず、大衆からの孤立を感じたアーティスト
といった事例もあがっておりました。 単なる組織内での孤立だけではなく、他人とのつながりが感じられない状況はすべて良くないわけですね。
7.価値観の切断
個人的に抱いている価値観と、仕事の方向性が違ってしまうケース。研究者いわく「自分では気づかないケースが多いが、仕事を虚しくさせる原因として実はもっとも多いパターン」なんだそうな。具体例としては、
- 上層部が予算削減しか言わないことに悩む建築家
- 有名誌への掲載を目指すようにプレッシャーをかけられる学者
- 病室を空けるために早く患者を帰宅させるように言われたナース
みたいな感じ。やっぱ金と価値のあいだで悩む例が多そうですね。
まとめ
そんなわけで、仕事を虚しくさせる7つの要素でした。研究者いわく、
これら7つの要素は、「仕事の意味」に大きなダメージを与える。当然ながら、これら7つの大罪は相互作用を持っており、多くの要素が重なるほど「仕事の意味」は大幅に低下していく。
とのこと。心当たりがある方は、意識して7つの大罪を減らしつつ、「ジョブクラフティング」の手法なども組み合わせていくとよさげです。どうぞよしなに。