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仕事が虚しい…何のために働いてるのか…って時に使える対策チェックリスト

Meaning

  

「仕事が虚しい…」と思ったら? 

少し前に 「人間の幸福には『意味』が必要」って話を紹介しました。たんに金や物が増えるだけではヒトの幸福レベルは上がらず、何らかの深い意義が感じ取れないと、生きてても虚しさが募るばかりだよー、みたいな話です。

 

 

ってところで、今度は「意味のある仕事に必要な要素を探してみた」って論文(1)が出てたのでメモ。当然、自分の仕事に意味を見いだせないと、モチベーションは下がるし、パフォーマンスも悪化するでしょうからねぇ。

 



 

 

 

上司が悪いと仕事の虚しさは一気に加速する

この研究は、10種類の職種から135人の男女を選び、徹底的なインタビューを実行。その結果をよりわけて、「意味のある仕事をするポイント」を抽出したんですね。エビデンスのレベルはそんなに高くないものの、いまの仕事に虚しさを感じているような人には、十分な参考になるかと思います。

 

 

その結果、まずわかったのは、

 

  • 良い上司に恵まれても仕事の意味は向上しないが、悪い上司に出くわした場合は、仕事の意味は一気に低下する
  • 他人からほめられたり認められたりすると、一時的に仕事の意味は上がるが、そこまで長続きはしない

 

みたいな感じ。いくら上司が善人でも、同僚から認められても、仕事の意味にはつながっていかないわけですね。

 

 

仕事の意味を左右する5つのポイント

それでは、実際になにが「仕事の意味」を左右するのかと言えば、以下の5つです。

 

 

ポイント1.自己超越

多くの人は、自分の行為が他人に影響を与えたときに仕事の意味を感じやすい。影響をあたえる相手は、個人でも組織でも環境でもOK。

 

 

たとえば、この研究に参加した清掃員の男性は、廃棄物がリサイクル施設に送られた瞬間に深い意味を感じると答えたそうな。とにかく、人様のお役に立つのが大事なわけですな。

 

 

ポイント2.苦しみ

仕事の意味を深めるには、楽しいだけじゃなくて「不快な感情」や「苦しい思考」といった要素が不可欠。意味がある仕事は、決してポジティブな体験だけじゃ得られないんだ、と。

 

 

この研究の例としては、

 

  • 末期癌の患者を看取って泣いた看護婦
  • クライアントのために働きすぎて体を壊した弁護士

 

といった例があがっておりました。確かに何もかもが上手く進むよりは、ハードな状況やを乗り越えたほうが仕事の意味は深くなりそうですもんね。

 

 

ポイント3.瞬間性

仕事の意味ってのは、週単位や年単位でずーっと感じ続けるものにあらず。ある日いきなりパッと訪れて、消えていくケースが多いってことらしい。具体例としては、

 

  • ロケット砲の襲撃で誰もケガをしなかったときの軍人の記憶
  • 急に店内で倒れた老婆を看護したスーパーの店員

 

などが挙げられておりました。ポイントは、日常のなかで唐突に感情を揺さぶられる出来事が起きて、その事件が脳のなかに刻み込まれていくとこ。このエピソードが、仕事の意味を象徴する記憶としてあとから効いてくるわけですね。これもわかるなぁ。

 

 

ポイント4.想起性

一般的に、仕事をしている最中に「意味」を感じることはなく、たいていは完成したプロジェクトなどを後から思い起こしたときにだけ「仕事の意味」が実感できるという現象。具体的な例としては、

 

  • 某企業の社長が会社の電気を消した瞬間、これまでの出来事が頭にわき上がった
  • 清掃人が仕事を終えた翌朝、キレイになった道路を見て意味を実感

 

みたいな感じ。つまり、仕事の意味ってのはリアルタイムの反応ではなく、ある程度は熟考の産物なわけですな。

 

 

ポイント5.個人性

仕事に関係する人だけでなく、自分の親族や友人にも認められること。具体的には、

 

  • 父親がライブに来てくれた瞬間に「意味」を実感したミュージシャン
  • 友人が自分のサービスを推薦してくれたのを知って感動した弁護士

 

といった事例があがっておりました。もちろん世の中の役に立つのは大事だけど、さらに自分に近い人が喜んでくれるほうが「仕事の意味」は深まるんだ、と。

 

 

まとめ

そんなわけで、意味のある仕事に必要な5つの要素でした。ざっくりまとめますと、

 

  • とにかく利他的であれ!特に身の回りの人を中心に幸せにせよ!
  • 仕事をすれば一時の苦しみは起きるが、あとで「意味」に変わる!

 

って感じでしょうか。いまの仕事に対して「なんか虚しいなー」と思ったときは、ぜひ上の5つをチェックリストとしてお使いください。

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。