週5時間のトレーニングで「注意力」を上げる方法
外国語で注意力がアップする?
やたらと情報が多い現代社会では、「注意力」こそがもっとも重要な資産なのだ!って説をよく聞くようになりました。
これは、おもに経済学の方面から出てきた話で、ジョージ・メイソン大学のタイラー・コーエン先生なんかがよく主張しておられます。もともと経済学は「希少性」を扱う学問なんで、いまの世の中では「注意力が一番の資産」って結論になるのも当然。つまり、現代では「注意力がある人間が最強!」みたいな話ですね。
といったところで、新たに「外国語を学ぶと注意力が上がるよ!」って論文(1)が出まして、なかなか参考になりました。
1週間の学習で注意力が20%あがった
これはエジンバラ大学の実験で、33人の男女が対象(年齢は18〜78才)。全員に1週間の「ゲール語」学習コースに参加してもらい、
- 特定の音に意識を向け続ける
- 関係のない情報から意識をずらす
といった注意力テストをしてもらったんですね。それでどんな違いが出たかというと、
- 外国語を学んだ人は、何もしなかった人にくらべて注意力が20%アップ!
- 注意力のアップ効果はすべての年齢で確認された
みたいな感じ。これは良い数字じゃないでしょうか。
すごいざっくりした比較でいうと、2008年に「屋外を1時間ぐらい散歩すると注意力が20%上がる」ってデータ(2)が出てまして、これと同じぐらい。こんぐらい注意力がちゃんと上がるものって意外と少ないんですよねー。
ちなみに、この研究では9カ月後のフォローアップもしてまして、
- 週に5時間ほど外国語を学習すれば、注意力の上昇はキープできる
みたいな結果が出ております。まぁそこまで高いハードルでもないっすね。
まとめ
研究者いわく、
今回の研究には3つのポイントがある。
ひとつめは、外国語の学習のような、新たな脳トレを始めるのに年齢は関係がないということ。
ふたつめは、短い期間でも集中的に学習すれば、認知の機能は改善するということ。
みっつめは、この認知の改善効果はトレーニングで維持できるということだ。
とのこと。外国語の学習に限らず、何才からでもいいあら、新たに脳を使うような趣味や仕事を持つべきだ、と。まことにごもっともな話かと思います。とりあえず、散歩+英語の学習が最強かもってことで(笑)