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たった30分で鬱症状を33%も減らす凄い方法がハーバードから出たよ

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30分で鬱と不安を激減させる方法とは? 
たった30分のセッションで不安と鬱が激減したよ!」ってハーバード論文(1)がいい感じでした。


これは12〜15才の若者96人を対象にした研究で、不安や鬱で毎日の暮らしに問題が出てる人だけを選んだらしい。不安と鬱に効くセラピーはいろいろ開発されてますが、どれも時間と手間がかかるんで、若い人ほど治療を受けられないのが現状。そこでハーバードのチームが、「1回で効果が出る方法はないの?」ってところを探ってみたんですな。



「人は変われる!」をたたき込む
実験では、全体を2グループわけまして、

  1. サポーティブセラピー:感情の仕組みについて学び、それを他人に話すことで癒しを得るタイプのセラピー
  2. パーソナリティチェンジ:「人格は変えられるのだ!」って事実をたたきこむ

って感じでタスクを割り当てたらしい。介入の時間はどちらも30分であります。


また、「パーソナリティチェンジ」のグループには、あらかじめPCにセットしたプログラムを使った模様。このグループがどんなことを学んだかというと、

  • 脳の神経可塑性について(脳の構造は後からいくらでも変わるよ!という話)
  • ヒトの行動はどのように起きるのか?(脳が感情と思考を生んで、行動につながるよ!という話)

みたいな感じ。研究者いわく、

この介入の重要なメッセージは、体系的に取り組めば(または適切なサポートがあれば)、個人の特性は変えられるという点だ。この考え方によって、自分の可能性を広げるための行動が強化される。

とのこと。第一に「脳は環境によってガンガン変わるので、人格だって変わるんだよ!」って科学的な事実があって、それによって望ましい行動が増えていくんだ、ってこってすな。


30分のセッションが終わったあと、それぞれのグループには、実験直後、3カ月後・半年後・9カ月後の時点で4回の心理テストを実行。ついでに、全員の両親にも調査を行って、なるべく客観的な視点を導入したみたい。ちゃんとしてますねぇ。


パーソナリティチェンジの介入で鬱症状が33%減!
さて、結果は以下の通りです。

  • パーソナリティチェンジを受けた参加者は、その直後から大幅に鬱症状が減り、その効果は9カ月後も持続していた!

なんでも、サポーティブセラピーは鬱スコアが11%減ったのに対して、パーソナリティチェンジは33%減という好成績だったらしい。この数字は、参加者の両親がつけたスコアともほぼ同じで、主観的にも客観的にもメンタルが改善したようなんですね。これは素晴らしい…。


研究者いわく、

この介入は費用対効果が非常に高く、幅広い人口にできる。30分のプログラムで鬱症状と不安が減るという事実が示されたのは初めてだ。

とのこと。これだけの効果があるってことは、鬱が続く原因のひとつは「自分は変わらない!」っていうバイアスが根っこにあるからなのかもですなぁ。


可塑性を頭にたたきこむのにオススメの本
そんなわけで、メンタルが弱くてお困りの方は、「人格は変わる」って事実を頭にたたきこんでいくと吉。具体的には以下の本で座学していくとよいのではないかと。


上記のハーバード論文でも参照されてた名著で、当ブログでもさんざん紹介しております。とりあえず基本中の基本として。


脳の可塑性をベースに、具体的に「悲観的な脳」 の変え方を教えてくれる本。科学と実践のバランスがよいのでおすすめ。


さらに深掘りしたいならこちらをどうぞ。メンタルの改善どころか、パーキンソンや多発性硬化症まで視野にいれた一冊。読むと未来に希望がわいてくる感じ。


もっと物語的なアプローチがしたいときは、認知行動療法の事例集がおすすめ。 「事例で学ぶ認知行動療法」は、重度の鬱病はもちろん、治療が難しい境界例の人が見事に立ち直っていく様子がリアルに描かれてて感動できるし、「人間は変われる!」ってのが実感できるはず。

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