HIITで気持ちよくなる脳内麻薬をドバドバ出そう!みたいな話
HIITで気持ちよくなる
「パレオダイエットの教科書」ではHIITってエクササイズを「最強エクササイズ」としてオススメしてるわけです。具体的にどんなメリットがあるのはか「あらためて「HIIT」の素晴らしさをいろいろと並べてみる」をご参照いただければと思いますが、とにかくいろんなご利益が得られるんですな。
で、新しいデータ(1)では「HIITで気持ちよくなれるぞ!」って結論になってて笑いました。こりゃいいですなぁ。
HIITとランニングが脳にあたえる影響をチェック
これはトゥルク大学の実験で、22人の健康な男性を2グループにわけております。
- 中高強度身体活動(軽いランニングぐらいの負荷)を60分
- HIITを10分
そのうえで全員の脳をPET検査でチェックしたらしい。ざっくり言うと、検査薬を参加者に注射して、脳の前頭辺縁領域にどんな変化が起きるかをみたんですな。ここは感情のコントロールに関係するエリアで、痛みとかモチベーションなんかにもかかわっております。
HIITは脳内麻薬の分泌量がすごい!
そこでどんな違いが出たかと言いますと、
- ランニングにくらべてHIITはエンドルフィンがドバドバ出る!
ってことです。エンドルフィンはご存じ脳内麻薬の一種で、痛みをやわらげて幸福感をもたらす作用をもった物質。いわば天然のモルヒネですな。
もちろん1時間のランニングでもエンドルフィンは出たんだけど、とにかくHIITは脳内麻薬の分泌量がやたらと多かったらしい。伝わるかわかりませんが、いちおうHIIT後の脳の状態も引用しときます。
オレンジのエリアがエンドルフィンが出てるとこ。こりゃたまりませんね。
ただしHIITには多大な苦痛がともなう
研究者いわく、
今回の実験でわかるのは、エンドルフィンの分泌量と、それが脳のオピオイド系にどのように作用するかは、エクササイズの負荷に左右されるという点だ。
これは昔からよく言われてる点で、脳内麻薬を増やすには「苦痛」が不可欠。マラソンでランナーズハイが起きるのも、激辛料理でスキッとした気分になるもの、すべて前段階に大きな苦痛があるからであります。つまり、HIITもそれだけツラいってことですね。
が、それゆえに注意点もありまして、
エクササイズによるエンドルフィンの分泌は、運動のモチベーションや習慣化のために重要な機能だ。ほどほどの運動強度の場合、エンドルフィンの分泌は気分の改善をもたらし、運動の習慣化を促進する。
いっぽうで運動強度が高い場合、エンドルフィンの分泌はネガティブな感情の増加と相関する。これは肉体と精神に負荷が高い行為をやりとげるための機能かもしれないが、ネガティブな感情は運動の習慣化を妨げる可能性がある。
新たなエクササイズを始めるときは、運動の負荷を考慮に入れるべきだろう。
とのこと。要するに、どれだけエンドルフィンが出てもHIITのツラさは緩和されないよ!ってことです。HIITで多幸感を味わうには、その前の超ツラい段階を乗り越える必要があるんですな。簡単に幸福感を得られる方法はないもんですなぁ。
まとめ
以上の話をまとめると、
- 手軽に幸福になりたきゃHIITをやろう!
- ただしHIITはネガティブな感情を生みやすく、脳内麻薬でも対処できない
- それゆえに、HIITで幸福感が出る前にくじけちゃう可能性も高い
って感じです。難しい問題ではありますが、とりあえずは、
- 苦痛のあとにエンドルフィンの多幸感が来る!と信じて頑張る
- が、HIITのやりすぎは、HIIT自体を嫌いにさせてしまう可能性が高いので注意
といったとこでしょうな。なんでもそうですが、HIITも自分にとっての用量用法を守って正しくお使いください。