「ダイエットにカロリーは関係ない!」説を否定するデータをダラッと並べるエントリ
カロリー神話は崩壊したの?
「パレオダイエットの教科書」では「いろんなダイエット法はあるけど、なんだかんだで大事なのはカロリー」ってとこを強調しております。
どんなダイエット法だろうが、魔法のように体重が減るなんてことはあり得ないんで、パレオダイエットはもちろん、糖質制限ダイエットでも低脂肪食でもボリューメトリクスでもその辺は同じ。要は、どれだけ本人にとってツラくない形でカロリーを減らせるかどうかが大事なわけです。
が、そのあとでたびたび言われたのが「カロリー神話は崩壊したんじゃないの?」みたいな話。特に糖質制限の界隈で多いような気がしますが、とにかく「肥満の原因は○○だからカロリーは関係ない!」って考え方は、思ったよりも広まってるみたいなんですな(○○のとこには「糖質」や「脂肪」や「食事の回数」などが入る)。
といっても、そのへんのことは、もちろん「パレオダイエットの教科書」でも説明はしております。「どんなダイエット法だろうが最終的にはカロリー制限が大事」って結論のメタ分析も引き合いに出してるんですが、それでもご納得いただけなかったのは当方の不徳のいたすところ。
ってことで、このエントリでは、「ダイエットにおいていかにカロリーが大事か」ってとこに関するデータを並べていこうかと。といっても、いったん「カロリー神話は崩壊したんだ!」と思い込んでしまった方を説得する気もないので、後半にはネタっぽい話もふくめていく方向で。
カロリーこそが大事!を示す7つの話
1.カロリーの大半が砂糖でも同じように痩せる
まずは20人の女性を対象にした有名な1997年の実験(1)から。全体を2つのグループにわけて、同じぐらいのカロリー制限をしてもらったんですね。その際に、
- 総カロリーの43%を砂糖にする
- 総カロリーの4%を砂糖にする
にわけたんだそうな。そのまま6週間のダイエットに励んでもらったところ、どちらのグループも結果はほとんど同じ。どれだけ砂糖を大量に食べようが、両グループとも同じように体重と体脂肪は減ってたそうな。
2.1日の食事回数を増やそうが減らそうが同じように痩せる
お次は、肥満の男女16人を対象にした2010年の実験(2)。こちらも全員に同じぐらいのカロリー制限をしてもらったうえで、2つのグループにわけております。
- 1日3食
- 1日6食
要するに、1日の食事回数を変えて体重に差が出るかをみたわけですね。 そのうえで6週間のダイエットを行ってもらったところ、やはり結果は同じ。両グループとも同じように体重が減ってたそうな。
3.極端に糖質を減らそうが増やそうが同じように痩せる
こちらは83人を対象にした2006年の実験(3)。やはり全体の維持カロリーからマイナス30%のカロリー制限をしてもらいまして、全体を3つのグループにわけております。
- 総カロリーの4%を糖質にする(スーパー糖質制限)
- 総カロリーの50%を糖質にする
- 総カロリーの70%を糖質にする
それで何が起きたかといえば、予想どおり結果は同じ。総カロリーの7割が糖質だろうが、4%まで糖質をしぼろうが、みんなほぼ同じだけ体重と体脂肪が減っておりました。
4.三大栄養素の摂取タイミングを変えようが同じように痩せる
こちらは肥満の男女54人を対象にした2000年の実験(4)で、全体を2つのグループにわけております。
- タンパク質、脂肪、糖質のバランスが取れた食事をする
- タンパク質、脂肪、糖質のバランスは同じだが、1日のなかでバラバラのタイミングで摂る(朝にタンパク質を食べたら、昼は糖質だけ、とか)
で、6週間後の結果はもはや言うまでもなし。両グループとも同じように体重が減っておりました。
5.運動をしようがしまいが同じように痩せる
- 食事制限だけでカロリーを削る
- 食事制限+有酸素運動でカロリーを削る
って2グループにわけたんですな。そのうえで8週間のダイエットを続けてもらったところ、これまた結果は両グループとも変わらず。同じように体重と体脂肪が減っておりました。
6.ジャンクフードばっか食べてようがカロリーさえ減らせば痩せる
7.マクドナルドばっか食べてようが痩せるときは痩せる
具体的なダイエットのいルールは、「3カ月間マクドナルドで過ごす」だけ。その間に食べたのは、ビッグマック、クォーターパウンダー、マックマフィン、その他のデザートのみだったそうな。
ただし、ここで大事なのが、1日の摂取カロリーだけはあくまで2,000kcalをキープし続けたところ。その結果、90日で約17キロの減量に成功しちゃったというから凄いもんです。こちらもエビデンスとしては扱えませんが、おもしろいもんですなぁ。
まとめ
ってことで、「カロリー神話は崩壊した!」って主張に反する話を、信憑性が高いものから低いものまでいろいろ並べてみました。おそらく、これを読んでもカロリー否定派の気持ちは変わらないとは思いますが、心のどこかに留めておいていただければ幸いです。