「1日6食に食事回数を増やしたほうが痩せる!」の嘘
「1日6食ダイエット」についてご質問をいただきました。
先日、「3〜4時間に1回は何か食べたほうが脳の機能が高まる」という説を否定してらっしゃいましたが、ダイエットに関してはいかがでしょう? Googleの健康づくりの記事には「時間を空けて食べると太りやすくなる」や「血糖値がガーンと上がると本来なら脳にいくはずの糖分が体に脂肪として回る」との意見もあるようですが?
とのこと。確かに「3〜4時間ごとに食べたほうが痩せる!」って説は昔からありますねぇ。細かく食べたほうがお腹が空かなくてすむって理屈で、DAIGOの奥さんも1日6食を実践してるらしい。
この問題については、幸いにも2015年1月に超ナイスな論文(1)が出ております。ニューヨーク市立大の研究で、過去に行われた食事回数とダイエットの実験データを精査したんですな。つまり科学的な信頼レベルは最強。
1日3食と1日6食の体重変化は同じ
分析にかけられた実験は15件で、1日3食と1日6食の効果をくらべたデータが多め。その結論をざっくり抜き出すと、
- どれだけ食事を細かくわけようが、摂取カロリーが同じなら体重の減り方も同じ
- 体脂肪や筋肉量も食事の回数とは関係ない
といったところ。1990年代に1件だけ「1日6食のほうが優秀!」ってデータがあったものの、全体の数値を調整すると食事の回数とダイエットの効果は関係なくなっちゃうらしい。1日の摂取カロリーさえ守れば、好きな回数で食べてOKってことですな。
いっぽうで、唯一1日6食でメリットがあるのがアスリート。食事の回数を増やすことで、激しい運動にともなう筋肉の減少を抑えられるんだそうな。まぁ大半の人には関係ないでしょうけど。
食事の回数よりも時間を重視すべし
研究者いわく、
食事の回数を増やすメリットがあったとしても、それは非常に小さな差でしかないため現実的には意味がない。(中略)1日の食事回数は個人の好みにまかせるべきだろう。
いっぽうで、近ごろ不規則な食事の悪影響を示すデータがいくつか出ている。週を通して規則的な食事を守るとメリットがあるかもしれない。
とのこと。食事の回数よりも時間を重視せよ!って結論になっております。確かに最近は「時間栄養学」がちょっとしたブームなんで、この意見にも共感できるところです。
そんなわけで、ご質問の記事にあった「時間を空けて食べると太りやすくなる」は間違い。「血糖値が上がると糖分が脂肪に回る」って説も謎で、よほどカロリーオーバーにならない限り、糖は脂肪に変換されにくい性質を持ってますんで。
いずれにせよ、決めた食事時間だけは守って、あとは自分の感覚に合った回数を選んでいただければと思います。