コーネル大学調査「第一印象が悪いと後でどんなに良い行いをしてもムダ!」
「最初の印象が悪いと、後でどんなに言い訳してもムダ!」って論文 (1)がおもしろかったんでメモ。
これはコーネル大学の実験で、200名の学生たちに架空の人物エピソードを伝えたんですね。たとえば、
フランシスさんは隣家へ強盗に入り「大事なもの」を奪って逃亡しましたが、その後で逮捕されました。
みたいな感じ。フランシスさんの第一印象が最悪になったところで、今度は全員に新たな情報を伝えたんだそうな。
- 心を入れ替えたフランシスは、その後で自分を危険にされして子どもを事故から救った
- 実はフランシスは強盗をしておらず、誤認逮捕として後に釈放された
ところが、それでも彼の第一印象は悪いまま。全員が「フランシスは信用できない」という評価をし続けたらしいんですな。実際は強盗を働いてなくとも、いったんできた悪い印象はぬぐい去れないみたい。まぁ芸能人の誤認逮捕などが起きると、やっぱ似たような心理が働きますもんね。
が、研究者いわく「再解釈」を使えば、どうにか第一印象を挽回することも可能らしい。具体的には、
フランシスが隣家へ押し入ったのは、実はそのとき家屋から火が出ているのに気づいたから。その際に逃げ遅れた子どもを救ったのを、警察に誘拐と間違われただけだった。
といったエピソードを伝えたところ、フランシスさんの印象は一気に改善。逆に好感度があがったんだそうな。「実は強盗は間違いだった」と言われるよりも、「実は強盗には仕方ない事情があった」と伝えたほうがよいわけっすね。
実際に相手に悪い行為をしちゃった場合は「再解釈」も難しいでしょうが、向こうの偏見が原因で印象が悪くなったときには、新たな見方を提示あげるといいのかも。たとえば、
- 怒りっぽくて怖い → 正義感が強い
- 理屈っぽくてウザい → ボキャブラリー豊かで分析力が高い
- しつこくて嫌 → ねばり強くて集中力がある
- おとなしくて暗い → 冷静で自分を持っている
みたいな感じでしょうか。逆に「確かに僕は怒りっぽいけど、優しいところもあるんだよ!」と言っても、なかなか第一印象は覆らないわけですな。
とはいえ、コロンビア大のハルバーソン教授によれば、どうしても印象が変わらないときは「しつこいぐらい自分の良い面をアピールするのもアリ」って話ですんで、最後は粘ってみるのもいいかも。ちなみに、そもそも第一印象で失敗したくないときは、「パッと見の印象を決める6つの要素」などをご参照ください。