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本番前の「ルーティン」で不安が減ることが実験で確かめられた件

Haka

 

 

 本当にルーティンって効果あるの?

 イチローや五郎丸など、決まったルーティンを行う選手が多いのは有名な話。それじゃあ、本当にルーティンって効果あるの?ってあたりを厳密に調べた実験(1)が出ておりました。

 

 

これはハーバード大の研究で、「ルーティンで不安は減るの?」という問題をチェックしたもの。もちろん本番前の不安は悪いものじゃないんですけど、本番中の不安でパフォーマンスが悪化するのは間違いないですからねぇ。

 

 

ちなみに、ここでいう「ルーティン」の定義は、

 

あらかじめ決められた象徴的な行為を使った一連の手順。パフォーマンスの内容とは直に関係がなく、儀礼的な行為やくり返しが用いられることが多い。

 

みたいな感じ。もちろんスポーツだけでなく、プレゼンやスピーチの不安を減らすためのルーティンは、すべてふくまれております。

 

 



 

 

「嫌な感情を紙に書いて捨てる」ルーティン

実験は85人の学生を対象にしてまして、全員に「人前で歌を歌ってください」とお願いしたらしい。その際、参加者を以下の半分にわけたんですね。

 

  1. 研究者が決めたルーティンを実践してから歌う
  2. なにもせずに歌う

 

研究者が決めたルーティンってのは、

 

  1. いまの感情を絵として描いてみる
  2. その絵に塩をふりかける
  3. 5秒数える
  4. 紙をくしゃくしゃに丸めてゴミ箱に捨てる

 

みたいな感じ。おまじないっぽい内容になっております。

 

 

ルーティンには脳をダマす効果がある

で、その結果は、予想どおりルーティングループの圧勝。なにもせずに歌った場合とくらべて、カラオケマシンの採点が高く、血圧も低いままだったんだそうな。おもしろいですねぇ。

 

 

ルーティンが効く理由には諸説ありまして、

 

  1. 決まった手順を行うことで、自分の不安ではなくて、自分の行為に注意力が向かうから
  2. 「不安をゴミ箱に捨てる」という象徴的な行為により、脳がダマされるから

 

といった仕組みが考えられております。いずれにせよ、ついつい脳の注意が不安に向かってしまうのを、ルーティンによって散らしてるわけですな。

 

 

まとめ 

ただし、この実験では「嫌な感情を紙に書いて捨てる」ってテクニックにしか言及してないんで、もっとシンプルなルーティン(五郎丸ポーズみたいな)だとどうなのかは不明。

 

 

まぁ、嫌なことを紙に書いて捨てるとネガティブな感情が消えるって研究は昔からありますし、ネガティブな感情を紙に書くのはメリットが大きいのも事実なんで、この実験のルーティンをそのまんま取り入れてみるのもアリかもしれませんね。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。