「がまん」の科学的に正しい使い方
最後に勝つのは目の前の誘惑に強いヤツ
当ブログでは「セルフコントロールは超大事!」 って話を何度か書いております。
実際、人生の成功にはセルフコントロールが不可欠ってデータは山ほどありまして、具体的には以下をどうぞ。
いろいろ書いてますが、要するに目の前の誘惑をガマンできるヤツが最後には勝つ!ってシンプルな話であります。そりゃそうですよね。
誘惑に勝つためのベストな戦略は?
が、ここで出てくるのが、誘惑に勝つ方法は何がベストなの?というところです。ゴールを達成する方法は大きく2つありまして、
- セルフコントロールの力をアップさせる
- そもそも誘惑がない環境を作る
みたいな感じ。果たして、どっちのほうがゴール達成には効果的なのかって問題であります。
で、そのへんを調べてくれた実験(1)が近ごろ出まして、かなり参考になりました。
これは159人を対象にした実験で、まずは全員に何らかの目標(痩せるとかフランス語を学ぶとか)を決めてもらい、さらに心理テストでセルフコントロール能力をチェック。そのうえで、みんなに実験用のスマホをわたして、定期的に以下のようなポイントを記録してもらったらしい。
- いまの瞬間、どんな誘惑が目の前にあるか
- 誘惑に勝つために何をしたのか
- 1日の終わりにどれだけ消耗していたか
実験期間は1週間。最終的にすべてのデータをまとめたところ、以下のような結果だったそうな。
- セルフコントロール能力を使うよりも、もともと誘惑が少ない環境に身を置いたほうが、ゴールの達成率はガツンと上がる
- ただし、もともとセルフコントロール能力が高いほうが、さらにゴール達成率は上がる
- 誘惑が多い環境に身を置くほど、1日の終わりの疲労感がハンパなくなる
- 1日の終わりの疲労感がハンパなかった学生ほど、ゴール達成率は低かった
誘惑が多いほどメンタルがすり減っていくってのは、体感的にもよくわかりますなぁ。
セルフコントロールの正しい使い方とは?
研究者いわく、
よりよい自己管理を目指すなら、セルフコントロール力をアップさせるよりも、誘惑が少ない環境を作るほうが有効だ。
とのこと。もちろんセルフコントロール作戦が効かないわけじゃないものの、最終的には誘惑が少ない環境に身を置くほうがベターってことですな。仏教の教えでも、なんだかんだで世俗から身を離すことが最重要視されますからねぇ。
このデータの解釈にはいろいろありましょうが、個人的に思ったのは、
- セルフコントロール能力は、身の回りから誘惑を取り除く作業のために使うべし!
ってことでしょうね。いくらセルフコントロールを鍛えても、いったん誘惑のなかに身を置いちゃうと、どんなに意志力が強くても太刀打ちできないみたいなんで。
まぁ現代社会で誘惑から身を引きはがすのは難しいことですけど、とりあえず仕事中に通知とショッピングサイトをブロックするぐらいはやっとくといいかも。