DMAEで頭が良くなる?肌がキレイになる?
DMEAが脳力アップと美肌に効く?
「DMAEについてどうお考えでしょうか?」とのメールをいただきましたので、少し考えてみようかと。
DMAEは、卵などに豊富にふくまれるコリンによく似た物質。ネットなどでは主に「頭が良くなる!」と「肌がキレイになる!」という2つの効能がうたわれております。
コリンは「脳を幸せにしてくれる9つの栄養素」のひとつで、不足すれば認知機能が弱っていくのは間違いないところ。DMAEで頭が良くなっても、不思議ではなさそうに思っちゃいますな。
DMEAのデータはかなりパッとしない
ただし、いまのところDMAEで一般的な成人の頭が良くなるかを調べた実験はないので、近いデータを参考にするしかない感じ。関係がありそうなデータは、以下のようになっております。
- ADHDに悩む74人の子供に1日500mgのDMAEを飲ませたところ、10週間で症状が大きく改善した(1974年,2)
- 1970年代のDMAE研究をチェックしたレビュー論文では、「本当に脳に効くかはわからん」という結論(1974年,1)
- アルツハイマーの患者にDMAEを試したが、24週間で特に変化はみられなかった(2012年,3)
注意力が足りない子供には何らかの効果がありそうですが、高齢者の認知症にはメリットが出なかったわけですね。これで「DMAEに効果なし!」とは言えないものの、かなーりパッとしない感じであります。
コリンにも脳力アップの効果は出ていない
さらに参考として、DMAEと働きが近いコリンの実験を見てみると、
- 18〜29才の男性13名に体重1kgあたり50mgのコリンを飲んでもらったが、とくに記憶力や認知の向上はみられなかった(2002年,4)
みたいな感じ。もちろん、DMAEとコリンは少し違うものの、 こちらもかなりガッカリなデータではあります。
ちなみに、ネットでは「DMAEはピラセタム(有名なスマートドラッグ)と飲むといい!」みたいな話もよく見るんですけど、どうなんでしょうか。なにせ、ピラセタム自体の効果が非常に怪しいので、効果がなさそうなものを組み合わせても意味がないかと。
そんなわけで、個人的には、DMAEをスマートドラッグとして使うのは無理だと思っております。コリンやDMAEが足りないと脳の機能が落ちるのは確実ですが、だからといって大量に飲めば頭が良くなるってわけじゃないという、普通の結論ですね。
美肌効果には可能性がありそうですが…
では、もうひとつの「美肌効果」のほうはどうかというと、 こちらは意外にも健闘をみせております。たとえば、
- 3%のDMAEをふくむローションを塗ったところ、2週間で肌のシワや黒ずみが有意に改善した(2005年,5)
- 30人の参加者に3%のDMAEをふくむジェルを塗ったところ、シワの改善にたるみが見られた(2002年,6)
みたいな感じ。それなりに期待を持たせる結果になってますね。
ただし、いずれも初歩的なデータなんで、積極的に「DMAEクリームは効く!」と言えるような段階ではございません。やはり当ブログでは、研究例が豊富なレチノールかビタミンC誘導体のほうをオススメしておきます。
というわけで、現時点ではDMAEに金を払うほどのメリットはない印象。いつものとおり最後にアフィリエイトのリンクを貼っておきますが、別に買わなくていいです(笑)