レチノールクリームで本当に顔のシワは減るの?「顔のシワに効くクリームって、科学的には結局ビタミンAとビタミンCの2択ですよね その1」
よく「良いシワ対策ってないですか?」とか聞かれるんですけど、ボトックスやヒアルロン酸注射などの外科的な方法をのぞけば、現実には「ビタミンAかビタミンC系のクリーム2択!」という状況であります。
具体的にはレチノールやトレチノインと呼ばれるのがビタミンA系で、アスコルビン酸やリン酸アスコルビルなどがビタミンC系であります。「レチ」がついたらビタミンAで、「アスコル」がついたらビタミンCですね。
では、ここではビタミンAの系の話から。
レチノールクリームで肌が273%も厚くなる
ビタミンAと肌の関係を調べたデータとしては、
- 0.4%のレチノールを配合したクリームを高齢者が週3回ずつ使ったところ、肌のコラーゲンとヒアルロン酸のレベルがアップ。レチノールを使わなかった参加者にくらべて、あきらかにシワの数が減り、肌質もなめらかになった。ただし、初使用から24時間後には、肌の赤みや乾燥などの副作用もみられた。(2007年,1)
- 紫外線で肌が劣化した参加者だけを使った実験。30人に0.1%のレチノールを配合したクリームを16週間使ってもらったところ、プラシーボグループにくらべて肌質が改善し、シワが大幅に消えた。腕の肌を採取したところ、レチノールを使った参加者の肌は273%も厚みが増していた。ただし数名の参加者に皮膚炎が起きた。(1988年,2)
- 263名の参加者が0.05%のトレチノインを配合したクリームを使ったところ、24週間で紫外線のダメージ肌が激しく改善。肌のなめらかさや小じわも良くなった。0.01%のトレチノインクリームでは、肌の改善効果は出なかった。また、数名の参加者にドライスキンや赤みなどの副作用が見られた。(1991年,3)
あたりが有名なところ。とにかく肌のターンオーバーを進める働きが大きいみたい。いずれもちゃんとした実験デザインになっていて信頼度も高いです。
具体的な商品としては、Amazonで買うならビタミンワールドのレチノールクリーム、iHerbならMadre Labsのレチノール・セーラムやレチノールA1%が定番かと。ただ、レチノールは光と酸素に超弱い成分なんで、個人的には酸化防止成分が入ってるレチノールA1%がよいかと思います。
ちなみにトレチノインやレチノール酸はレチノールの強化版でして、ニキビ治療に使われるケースが多め。肌のターンオーバーを促進する効果は高いものの、そのぶん副作用もデカいんで使い方が難しいかも。実際、わたしも過去にレチンAを試してみたところ、肌に赤みとかゆみが起きて苦労しました。ニキビにお悩みの方なら、個人輸入で試す価値は十分にあると思いますが。
まとめ
そんなわけでレチノールクリームは「買い」ですが、効果が高いだけに副作用もあるのでご注意ください。あんま塗りすぎると赤みやブツブツが出たりしますんで、まずは薄くぬってみて異常がなければ増やしてくださいませ。
では、次回はビタミンC系のお話です。